第5話 「グレイ。」

グレイの朝。

雨はまだ出番を待っている。

自分も、出番を待っている。

休日の、

まったりとした、だるくて、まなこが冴えない、

そんなグレイの朝。

予定もない。あるけど、ない。

そんな、どうしようもないグレイ。


グレイ。

短絡な言葉がいまの自分にふさわしい。

深くもなく、薄くもなく、あいまいで。

ふっと片づけられてしまいそうな、自分。

もてあましているくせに。

こんなひとときさえも、失くしたくはない。


やっぱり、私はグレイ。

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