連弾譜
早瀬翠風
1
それは本当に生意気な餓鬼で。
腹を立てても好さそうなものなのに、何故だか私は楽しくなった。
それなりの実力と、有り得ないほどの自信と。それから野心を覗かせて、その子供は私の前に立った。
挫折を知らぬ驕った顔で私を見上げる姿を、今でも時折、懐かしく思い出す。
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