独裁者の華麗なる、金持ち特権と累進課税政策。
「財源については、当面赤字国債を発行し、日銀がそれを買い取る。既に上限無制限での買取は実施されているんだ。問題はない。そもそも前政権は、国民の金で日本の株を買い上げて、無理やり株価を吊り上げ、仮りそめの『株高』を演出したんだ。一番、公から助けられるべきは、金持ちか、貧乏人かどっちだ?自助努力ではどうしようも無い層を救うのが、民間では救えない人たちを助けるのが政府の仕事だろうが」と、高倍は続ける。
「もっと言えば、富裕層のブランディングも、私達の仕事だ。そもそも資本主義というのは社会への貢献度に応じて、ペイが決まるというのが本質だ。たとえばメジャーリーガーや映画俳優がなぜ高給取りだと思う?一般人には不可能な“夢”を与えて、人を元気づけたり、明日への希望を与えたりと、高い影響力があるからだ。その資本主義の原理原則を大衆に理解させ、国民全体が“税金を多く払っている人に敬意を払う”という雰囲気を醸成する。さらに、国としても税金の負担額に応じて“特権”を付与するのだ」。さらに続ける。
「たとえば、あの千葉にある●●ランドなどは、高額納税者は待たずに乗れるようにしたらいい。それを見た子どもたちが“ズルい”ではなく、“人に高い影響力を与えることができる高額納税者になればああなれるんだ”という、上昇志向を持ってもらえるようにする。もちろん、“たまたま高額納税者の家に生まれた子ども”は、自分の力で得たわけでないので、列に並んでもらう。病院など生存権に関するものも、納税額に関係なくフェアに、だ。」。熱弁は止まらない。
「その上で、累進課税は加速させるし、それでも“海外が良い”と逃げていくような浅ましい金持ちは、当国として相手にしない。むしろ、出ていってもらったほうがいいだろう。他にも、相続税100%だとか、財源なんていくらでも出てくる。頭を絞れ」。高倍は、財務官僚たちに活を入れた。
──こうした財源確保により、貧困層への給付金支給など、数々の経済対策費用が捻出されることになる。
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