ラストゲーム

天嵐 柚太郎

第0話 始まりの始まり

「ピッ。ピッ。ピッ。ピッ。ピッ…」


目を覚ますと、真っ白な天井と規則的で無機質な電子音だけがそこにはあった。


体は動くのだろうか?今はまだ、なんだか重い。

頭は動きそうだ。


少し目を動かすと、体のいろんな所に管や線が、たくさんつけられている。


なんだか頭が痛い。

喉が渇く。

あー、胸も痛いな。


あれ。このまま待ってて良いのかな?ボタンかなんかで呼ぶんだっけ?

まぁまだいいか。


そんなことを考えていた。



「失礼しまーす。あっ、目、覚めてる!どうかなー?わかる?」


わかる?この女の人のことは俺は知らない。


「起きましたが、すみません、おねーさんの事は、知らないです。」


そう答えた。


「ごめんなさい!意識ある?大丈夫?ってこと。その様子だと大丈夫そうね。私は、担当看護師の黒田です。」


「あ、すみません。意識は大丈夫と思います。いろんな所、痛いですけど。」


そう答えた。


「麻酔が切れてきたのね。予定より時間がかかったみたいだし、体にかなり負担かかってるはずだからね。なんかあったらコール手元にあるから、押してね。」


あー、そうか。今は、午後の5時?ベッド脇の時計を確認する。

確かにかなりの時間がたっている。


「あの、喉が…」


そこまで、言うと察してくれたようで。


「あー、はいはい。ごめんだけど、最初は少しだけ。一口だけね。」


そう言って、黒田さんは手際良くストローで水をくれた。


「じゃー、先生に目が覚めたこと連絡してくるね。また眠くなったら寝ててもいから。」


そう言って部屋から出ていく。


あー、体が痛い。


それより、成功したんだよな?


生きてるよな。間違いなく。


夢にしては精巧過ぎるしな。

それに、やっぱりそこらじゅう痛い。


寝た方がマシかもな。

看護師さんもそう言ってたし、寝るか。



……



なぜこうなっているのか。


それは、ほんの少しだけ、前にさかのぼる…



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