第78話ハルはクレール森林を守るのです

ハルが森の大樹で休んでると、魔物たちが集まってきました。

魔物たちは、ハルを襲って来るのではなくハルを中心に、眠り始めました

よく見るとほとんどの魔物が傷ついてました。


魔物って自己治癒持ってるから深い傷でない限り治るはずなのに、それにこの集まりってことは、ミラーレと同じ?魔物がハルを求めてる?よくわからないけどこのままではどんどん弱っていくのね、でもハルの持ってるポーションもう残り僅かだから、ヒアリー草採りにいかないと・・


ハルは魔物さん達にこの大樹を中心に集まるようにハルの意識を風魔法に乗せてこの森に広めました。



大樹の周りにはこの森の魔物のほとんどが集まって来たのです、凄い数なのです、ハルは魔物たちのから情報を集めました


人間が入ってきて白い煙が出て来たのを吸ったら上手く動けなくなり多くの仲間が殺され、人間は森の奥に行き草を沢山採って帰ったと、生き残った魔物たちは人間の監視を続けてると、森のあっちこっちに何か置いて行ったと

魔物たちは神経毒に犯されていて治癒能力の低下、身体能力の低下で低ランクの冒険者にもやられるほど弱ってました。


ハルは持ってる全てのポーションを使い集まった何十万の魔物の周りに水魔法と風魔法で濃いハイポーションの混ざった霧を発生させ魔物たちを癒しました。


この森の名前はクレール、危険な薬草のある森です、ハルは考えました。あの危険な兵器の元になってるこの森のムラサキデング草、この薬草を簡単に採取できなくするのです、


それでも採りに来るなら自己責任です、死ねばいいのです

ハルはムラサキデング草の群生地に行きました、そこには多くの人間が来ていました。ハルはまだ髪の色も肌の色も元に戻ってないのでこの森で一番強いジャイアントキラーコングの肩に乗せてもらい、集まってる人間の所に行きました。

ハルは屑な発言しながら弱ってる魔物キラーウルフ、ファングウルフの子供たちを嬲り殺そうとしてるのを見つけました。


「おい!こいつまだ元気あるぞ!もっと吸わせろ!こっちもだ!」


クゥーンクゥーン 


「ほらこれで  ザク!」


キャンキャン・・グルルル 


「おい!こいつまだ俺たちに逆らう気だぜ!こいつをかければ   バシャ!」


クゥーーーーーン ドサ


「こっちも、ほい!こっちもほい!ほい!ほい!・・・・・・    バシャ!バシャ!・・・・・・ 」


クゥーーーーーン ドサ  クゥーーーーーン ドサ  クゥーーーーーン ドサ・・・・・・・


〈プチ!ブォーン〉



男たちは突然現れたジャイアントキラーコングと紫の髪の少女に驚いている


「て・てめえが噂の魔族か!ま・魔物従えて調子に乗って出て来ても俺たちの前には無力だぜ!」


男たちは魔道具を使い神経毒の混じった煙を出す!


ハルは右手を上にあげると大量の水の塊が落ちて来て煙は水に吸収され地面に吸い込まれる


『ケムリケス』


〈バッシャーン!〉



『オ・マ・エ・タ・チ・ハ・コ・コ・デ・シ・ヌ』


ハルは30人規模の男たちの上に同時に雷を落とす


〈バリバリバリ・・・・・・ドォーーーーーーーン!〉


「「「ギャーーーーーー!」」」


『ヤクソウハモリノモノニンゲンニハワタサナイ』


数人だけ威力が弱められその者を風魔法で森の外へ飛ばす


『アナタタチハキエテ』


〈ブフォーーーーーーーーーーーー〉


「おのれ魔族めーーー!」


ハルは薬草群生地のにたどり着けないように、土魔法で見えないように壁を作りその前に幅5m深さ50m以上の裂け目を作り底には大量の地下水が激流のように流れ簡単に超えれないようにした。ドライアドの能力で密林状態にし、霧が発生しやすい環境にして、方向感覚が狂うように木々の配置も変えたのです



『とりあえずこれで簡単には来れないのです・・・あとコンたん仲間のつぉい魔物ハルの所に連れて来て・・ハルは・・・・ねむ・・く・・・・Zzzzzzz・・』


☆・☆・☆


バルパス皇国中央都市ルパス


クレールの森林の生き残った採取隊数名が治療を受けた後、報告に来ていた


「急ぎ皇帝陛下に報告がございます、私はクレール森林採取隊の者です」


謁見の間には中央都市に滞在してた、貴族も集められクレールの森で起こった報告が行われ同時にホムロロールのラドン実験施設のことも話し合われた。


宰相が報告をまとめ皇帝に


「先のホムロロールで起こった事件と、今回のクレール森林で採取隊壊滅事件は、同一魔族の仕業と思われ我々皇国への反抗と思われます」


軍事参謀がさらに報告をする


「実験施設ラドンは皇国最大の施設でそれをたった1発の魔法で消滅させ、クレール森林では30人を同時に魔法で殲滅するなど考えられない威力の魔法を放つ魔族です、幸い数名が生き延び今回の件がわかったわけですが、恐らくわざと数名の者への威力が弱められたものではないかと・・・その魔力の細かい調整までできる者です、我々では対処できないかと・・」


皇帝バルパスは魔法省の責任者に尋ねる


『魔法省魔術師長ゲルドビヒよ、至急魔族に対抗する手段を考えよ!わが皇国が、たった一人の魔族に怯えることはあってはならん!この前の魔族の女のように、魔力を奪う魔道具の制作だ!至急だ!それと勇者も呼べ!このために召喚したんだ、奴らにも働いてもらう』



「魔道具に関しては難しいかと・・ラドン施設に魔道具製造部署があり、そこに我が皇国最高の錬成制作スキルを持つ者が、その優秀な部下と共に死亡が確認され、現在我が皇国には優秀な錬成制作スキルを持つ者はおりません」


「勇者の方は、至急中央都市ルパスに来るように魔道通信具にて連絡しました。」


「それと気になる報告があります、どうやら何者かが排出してる汚染水を調べてるようです、今その者の行方を追っています」


宰相は担当官が皇帝陛下に報告してる間に、急ぎ兵器製造工場に在庫の確認をとっていた


「バルパス陛下に報告します、製造所の状況を確認したところムラサキデング、黄焔硝、白粘土ともに在庫がほとんどない状況です。どうやら兵器の完成率の低下と労働者の能力低下により、完成品は現在1部隊分しかございません、製造工程で発生するガスが工場内に少し漏れ、それが労働者の人体に影響を及ぼしてるようです」


報告を聞きバルパスは激怒し

『完成品が1部隊では次の国を攻めることができぬぞ!急ぎなんとかせい!労働力は、健康そうな成人の男を適当に罪を作って犯罪者として従事させ労働力を確保するのじゃ!製造の資材も至急集めさせろ!国中のギルドに依頼をかけるのじゃ!』



バルパス皇帝の命で宰相はじめ皆が動き出す


それを陰からじっと見つめる者がいた


「絶対好きにさせない・・死んだ母様のためにも・・・・」


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