2話目

「………。……………、……………!

………………?………………………」


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昼過ぎの川辺にて

妙なものが流れてきた


魚を捕まえに来たはずだった

そのために網を川底に設置して

上流から下流へ降りてくる魚を

網の中に入れる方法をとっていたのだが


魚……?

……………………………………………

いや違うな……?


手足を縛られ意識を失った女………………


「?????????????????????????????????????????????????????????????????????????」


一旦落ち着こう


フゥースゥーフゥースゥーフゥースゥーハー


ヨシ。 いや無理だ


「あのー、もしもし?」


返答がない死んでる?


いや心拍音はする

呼吸もしてることはしてる


「もしもし?おーい。

ヘィヘィそこのカノジョォ〜……」


恥ずかしさが込み上げてきた


「………………ねェちょっと?おいー?」


(あっ、ダメだこれ)


いくら呼びかけても返事がなかったので

ひとまず家へと運ぶことにした


家と言っても洞穴の中だったのだが

その男は彼女の面倒を見てもらうために

近くの集落へと赴き

手の空いている女性を数人呼んできた


本来なら彼一人でできるのだが

そこは彼なりの思いやりというか

優しさというものだった


先ほど使っていた網から魚を取り

乾かすために干し

魚をササッと捌いて下ろして

塩を振り干物にするために干した


その後近くの森の中へ入り

ビヌという草食動物を狩り

クノミという栄養価の高い果物をいくつか採って

洞穴へと戻って行った


戻った時には手当がされ

汚れていたところは洗ってもらっていたらしい


綺麗になってベッドに横たわっていた

そこだけ見れば

時期に目を覚ましそうなのだが

1つどうしても拭えない違和感があった


それは気を失っているハズなのに

目だけが開いていた


普通気を失っていたら

目を閉じているというのが

彼らの普通というものなのに

彼女は目が開いていた


「あ、お帰りなさいませネスタミア様」


お世話をしていたうちの一人が

彼 ローガン・ネスタミアを見てそう言った


「おう今帰った、

すまねぇな姉ちゃんたち、集落でも

やることたくさんあんだろうに

手伝ってもらっちまって悪かった

しかし、ありがとな!すげぇ助かった」



「いえいえ、ネスタミア様のお願いであれば

何であれお手伝い致します。」


「いやいやいやもっと軽くでいいんだが

堅苦しいのはするのもされるのも苦手でな

気軽にネスタミアって呼んでくれて

構わねぇんだがねぇ」


「そういうわけにもいきませんよ

ネスタミア様は我らの集落を救ってくださった

恩人、そうなっては気軽に接してしまえば

集落の長が黙っておりません故

お許しください」


「あー、そう?まぁそれならしゃーねぇか

んで?コイツの具合はどうなんだ?

良さそうか?悪そうか?」


「それが、なんとも言えません…

身体の傷は数日もすれば良くなります

ですが問題は………」


「精神の方がやられてるのか…」


「はい、恐らくかなり激しく負担がかかった結果

今に至っております。」


「しかしよく分かったな、

精神がやられてると」


「前に集落でも似たような容態の方が

いらっしゃったんです

外から来た兵士様だったのですが

その方は外傷が治ったにも関わらず、

そのまま意識が戻らずに

お亡くなりになられてしまって…」


「そうか、しかし目の前にいるコイツも

その状態とはな…」


「ネスタミア様、女の子に

なんて呼び方、いけませんよ。

もっと、でりかしー?をもってください。」


「ちょっ、フヤ!あんたなんて口を!」


「いいえミツ、いくら集落を救ってくださった

恩人であってもダメなものは

ダメなのです!」


「しかし……ネ、ネスタミア様!

わたくしめの友人の無礼をどうか

お許しください!」


「フヤ……私のために……そこまで……」


「ミツは礼儀正しい子なんです!

でも、ちょっとだけ、いやかなり

頭がおかしいだけなんです!

馬鹿正直なだけなんです!

ドジでマヌケでボケでアホで

ちょっと抜けてて、めんどくさい所が

多々あるだけでとてもいい子なんです!!」


「おい待てフヤ、テメ…

貴方なんてこと言うのですか!

褒めてると見せかけて

貶してるだけじゃないですかぁ!」


「あれ、そうだった?」


「もう……!」


「あぁ、悪かったな、だがコイ…この娘…

この子…名前がわからないと

呼ぶに呼びにくいな……」


「では、私たちで仮ですが

名前をつけてはいかがでしょうか。

さぁ、フヤなにか案はありますか?」


「えぇ〜突然私に振られても困るよミツ〜」


「ネスタミア様も何か案はございますか?

あるなればササッとサササッと

名付けて下さいませ!」


「えぇ…っと〜、あぁ〜、ん〜」


『うーんうーん………………』


考えること早5分


ミツが口を開く


「アーリア・ラスに致しましょう」


「別に反論はねぇが、聞いてもいいか?

なんでその名前にしたんだ?」


「簡単ですよ?

私たちが住んでいる集落から

は洞穴を出てすぐに流れる

あの川から取りました、

組み合わせて、アーリア・ラスと

言うわけですよ!」


「いや、いいんだけどよ

しかしまぁ、そこまでキメ顔されちまうと

なんて言うか…なぁ………」


「何か言いたいことが

御座いますでしょうか?

あるなればササッと言ってくださいませ。」


「いやない、大丈夫、ないない。うん。」


「では、これで決まりですね

フヤもこれで良いですか?」


「あ、うん全然OKだよ、うん。」


「??お二人共なぜそのように

煮え切らないというような反応を

示されるのでしょうか……」


((言えない、絶対に言えない。

もし違う名前の案を出そうものなら

即座に切り捨てられそうな怖い顔を

していたなんて、絶対に言えない!))


フヤとネスタミアは

この時初めてシンクロをした

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