放浪者

俺は時の放浪者

目まぐるしく変わり続ける

この街をこの星を

みんなが忘れてしまっても俺だけは

記憶し続ける

記憶し続けなくてはならない


日に日に短くなる煙突

いつしかこの街も違う顔を見せるのか

時の止まった俺の心を置いて行くように

いつの間にかなくなった煙突

いつかの街の面影はどこへと消えたのか

足を止めた俺の思い出は色褪せてしまう

寂しさに駆られるのは俺だけだろうか

悔しさに駆られるのは俺だけだろうか

二度と戻れないあの夏へのトンネルを

俺だけは今もずっと探し続けている

俺だけはずっと探さなくてはならない


日に日に伸びていく太陽

いつしかこの星も日が暮れてしまうのか

時を止めたい俺は世界の傍観者のよう

いつの間にか全てが無に還って

いつこの星の影も形もなくなるとしても

足を止めた俺の記憶は永遠に彩やかに

正しさに気づけるのは俺だけだろうと

間違いに気づけるのが俺だけだろうと

二度と戻れないあの街への架け橋を

俺だけは今もずっと探し続けている

俺だけはずっと彷徨わなくてはならない

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