乾杯
タバコをふかして地平線を眺める
春先のまだちょっとばかし寒い空気を
肺の奥まで吸い込んだ
アイツら、今頃どうしてんだろ
もし口があったら もし足洗ってたら
アイツらどんな大人になってたかな
きっと喧しくてはた迷惑で……
それでもきっと愉快なままで……
タバコをふかして水平線を見つめる
前はヒマさえありゃこうして原付乗って
変わらねぇ朝日を見に来たっけか
俺、この頃どうかしてる
一人また一人 目の前から引いてく温度
初めは腐った目から流すモンあった
きっと感覚が麻痺して……
それでもきっと思うことはあって……
香炉の灰はもう濡れた
葬儀にゃお前のカーチャンただ一人
独り残して呆気なくいっちまったな
親不孝なお前らに笑って肩パンかましてーよ
でもさ…お前ら、もういねぇんだよなぁ……
墓場の隅の木陰にさ お前の墓石が建ってんだよ
横見りゃナメクジひっついてんだ
もう笑うしかねぇよ
俺も今年で二十五だ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます