後悔日誌~きままな宇宙海賊のアットホームな日々

江戸川ばた散歩

星間共通歴833年12月にとりあえずやってみた

星間共通歴833年12月12日 記述者:ドギー・ドッグハウス

 ノースウエスト・ハイエリアに入って十日。

 朝五時の定時チェック。特に問題なし。


 朝食:パン(ロールパン)

    /バター・ジャム(ブルーベリー/林檎)・蜂蜜・黒蜜のいずれか添え。

    野菜スープ(コンソメ味/キャベツ・人参・セロリ・コーン・クルトン)

    目玉焼き(ターンオーバー2名・蒸し焼き5名・半熟4名)

    厚焼きのベーコン

    果物(オレンジ・林檎・バナナ)

    コーヒーもしくは紅茶(ミルク・砂糖・その他好みで香料)


 例のごとくドクターは果物のみ。

 フランとボマーは目玉焼きに何をかけるか、で延々二十分は論争していた模様。

 フランは半熟に塩こしょう、ボマーはターンオーバーにケチャップだ、と主張。

 しかしそもそも半熟に掛けるものとターンオーバーに合うものを比べても仕方無いと思う。

 面白いので放っておいたら二十分も経っていた。

 その横ではヘルさんが蒸し焼きに黒蜜を掛けていた。

 彼はそれを普段はロールパンではなく食パンにつけて食べるのが好きなのだが。

 ナヴィがそれを不思議そうに見ていた。だが真似はしない。正しい選択だ。

 ちなみにワタシは半熟にしょうゆが好きだ。

 無論、論争に決着はついていない。


 午前中、今後の進行方向について船長室にて考える。

 ノースウエスト・ハイエリアと言えば、他のエリアに比べ、居住可能星系が少ないことで知られている。資料も少ない。後でそのあたりをプロフェッサーと検討が必要。


 十一時の定時チェック。特に問題はなし。


 昼食:シーフード・ピラフ(カレー風味・イカ・タコ・ホタテ)

    コーンクリーム・スープ(散らしパセリ)

    ヨーグルト(好みのジャム/甘味)

    果物(朝と同じ)

    コーヒーもしくは紅茶(ミルク/甘味)


 午後、ふと一つの提案を思い付く。この航海日誌を毎日交代制にすることだ。

 ヘルさんと某星系から出発した時点から続けている日誌だが、さすがに飽きてきた。

 必要かどうかはともかく、後で読み返すと面白いだろうと思って書いていただけなので、考えてみれば、誰が書いても構わないのではなかろうか。

 そう思い、お茶の時間に、全員に集合をかけた。


 ティータイム:

    コーヒーもしくは紅茶

    ミントゼリーもしくはトロピカルゼリー


 提案を切り出したら、皆一様に顔をしかめていた。

 「わざわざ冊子につけるのか」、とプロフェッサーは目を丸くし、「アナクロじゃの」と付け足した。

 結局、「面白そう」と言ったのはナヴィくらいなものである。

 意外なことにヘルさんは何も言わなかった。

 質問は、と問いかけると、アリさんが手を挙げて、書き方の決まりを聞いてきた。

 特に決めてはいなかったので、各自自由に、その日あったことを書けば良い、とワタシは言った。

 ただ、自分以前の者が記述した後に、何か言いたいことがあったら、赤ペンも付けておくので、好きに突っ込んでいい、と告げておいた。

 そうしたら、急に目が生き生きとしてきた者が居た。

 やはり古株から、ということで、


 船長(自分である)→隊長→ドクター→ナヴィ→王子→みっちゃん→プロフェッサー→おかみさん→フラン→ボマー→アリさん


 という順に落ち着いた。特に文句は出ず。


 五時の定時チェック。特に問題はなし。

 夕食:ビーフシチュウ

    主食として好みによりライスかパン

    サラダ(たっぷりの葉野菜+千切りの人参+クルトン+おろしチーズ)

    なすの肉詰め

    緑茶もしくは紅茶

    果物


 シチュウの時の主食が二種類出されるのは、どうしてもこの類のとろみ系の煮込みを米乃至は麦飯に掛けて食べたい、と主張する者のためであったが、やってみるとそう悪くない、ということから、現在では半々となっている。


 十一時の定時チェック、特に問題はなし。

 そろそろ背後のヘルさんの視線が怖いので、このあたりにしてお

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る