宝玉島の殺人~探偵は無力なり~
沖野唯作
プロローグ
けたたましいアラームの音で、私は目を覚ました。
窓から差し込む朝日が眩しい。私はベッドから起き上がり、手早く着替えを済ませた。今日は大事な約束がある。船の時間に遅れるわけにはいかない。
寝室を出て、リビングに向かう。妻の清子はすでに起きていて、娘の
「おはよう。よく眠れた?」
「ああ。なんとか一日頑張れそうだ」
コップに牛乳を注ぎ、ジャムを塗ったトーストを皿にのせる。朝食をとりながら、私は憂鬱な気分でこれから訪れる
館の主人、
食事を腹につめこみ、空になったコップと皿をキッチンまで運ぶ。私はコートを羽織ると、清子と春菜に声をかけた。
「行ってくるよ」
「はい、気をつけてね」
妻は心のこもった言葉で、娘はあどけない笑顔で、私を送り出してくれた。
二十分ほど歩いて、港に到着。待機していた船に乗り、私は
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