第8話
シュトュルは憂鬱だった。
昨日、レヴィアタンから言われた言葉が、まだ、耳にこびりついている。
(レヴィアタンは嫉妬の悪魔…そうわかってても、やっぱりあの言葉…ちょっと心に刺さるわ…それに、今日は学校だから余計に気分が優れないわ…)
さらに、拍車をかける様にシュトュルは嫌な人物とばったり会ってしまった。
「ごきげんよう、シュトュル様」
「ご、ごきげんよう…ネーベル様」
たくさんの取り巻きをつれたネーベルは、クスクスと笑う。
「今日は一段と暗い表情をされてますねぇ?あぁ、今日の授業にシュトュル様の苦手な魔法薬学ありましたもんね。ふふふ…わからない所がありましたら、いつでも聞いてくださいね?手取り足取り教えますから」
「…お気遣いどうもありがとうございます」
(そう言って、散々でしたけどね…)
過去に1度教えてもらったが、わざと使う薬を入れ換えられ、大失敗した事がある。
ネーベルは、取り巻き達と共に教室へと入って行く。シュトュルも憂鬱な気持ちで教室へと向かった。
「え~、最後に教科書に書いてある呪文を唱え、色が変わったら完成です」
魔法薬学の先生が説明をし終わると、生徒達は、薬を作り始める。
「えっと、コップに水一杯。雪白草は、ちゃんと三本ある。先に華ネズミのひげを細かく切るのね」
シュトュルも準備をし、さっそく作業に取りかかる。
魔法で華ネズミのひげを細かく切り、次の作業に移ろうとすると、頭の仲で声が響く。
(シュトー、それ、もっと細かく切り刻んだ方がいいわよ)
今日、始めての会話である。
(そ、そうなのね。わかったわ)
シュトュルは言われた通り、より、細かく切り刻んだ。
(シュトー、もっと水いれた方がいいわ)
(シュトー、もっと細かくすりつぶして)
(シュトー…入れる順番、逆よ…)
レヴィアタンのアドバイスのお陰で、シュトュルは順調に作業を進めていた。
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