レヴィアタンの恋愛術

天石蓮

第1話

シュトュル・シュトローム 16歳。今日、死のうと思います。

え?何故、死ぬのかって?

それはね…

疲れたんです。婚約者と、どのように接していいのか考えるのに。

学園での令嬢たちのいじめに。

なんで、私、この国の第二王子の婚約者なのかなぁ…

ごめんなさい、殿下。最後まで貴方の事、苦手でした。

シュトュルは最後に婚約者の事を思い出す。


太陽の様に眩しい人だった。勉強も魔術も剣術も得意で、特に会話が上手な人だった。

すぐに会話が弾んで、誰からも愛される人だった。

それに対してシュトュルは他人と関わるのが苦手な令嬢である。いつも浅い関係で終わり、友達はほとんどいない。

まぁ、居なくていいけど。

一人で静かに紅茶とスコーンをお供に本を読んでいるのが楽しい。

殿下と一緒にいると、不安になる。

どこまで彼が自分に近づいてくるのかわからない。

どこまで、自分は彼に近づいていいのかわからない。

お母様、ごめんなさい。今からそちらに向かいます。

シュトュルは鮮やかなコバルトブルーの海に飛び込んだ。


コバルトブルーの海の底

青黒い光の粒が動き出す

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