まだプリンセス

本当にまだ好きでいてくれてるのかな。

長い時間を共にすごして、同じ景色をずっと一緒に見てきた。未来を約束して毎日愛を囁いてくれている。

「好きだよ」

その言葉に嘘偽りはないだろう。

でも不安になる。


ねえ、どれくらい好き?

ねえ、どれくらい愛してる?



ふとした瞬間に君との未来が怖くなる。

この好きが永遠じゃなかったらどうしよう。君からの「好き」じゃない。私の「好き」だ。


君のことは愛してるよ。


でもね、不安なんだ。


私と君、ずっとこのままでいいのかな。



大好きなはずの君の背中に影がかかる。

好きなのに、「好き」だけを理由に動けなくなりそうになる。そこに何かを求めてしまいそうになる。



だから私は私に魔法をかける。


君の好きなところ100個あげよう。

君のことどれだけ好きか再確認するんだ。


君が私にしてくれたこと100個あげよう。

君が私にどれだけ尽くしてくれたか再確認するんだ。


ほらね、私は君が大好きだ。

ほらね、君は私が大好きだ。


だから私はまだプリンセス。

魔法が解けない限り、ずっとずっとプリンセス。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る