「蛍、見に行きませんか?」


勇気を振り絞って誘ってよかった。学校の裏手に蛍が見えるところがあるというのはあまり知られていないがここの蛍は毎年綺麗だ。木で囲まれた秘密基地のようなトンネルをくぐれば、蛍が柔らかに光ながら舞っている。その風景は夢のようだ。ほんのりとした灯が君の横顔を照らす。


「綺麗」


ため息のように君の口から言葉が零れた。蛍と、君と、暗闇と。ああ、本当に


「綺麗だね。」

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