第10話 復活
「せ…先輩……」
美由紀は慌ててパンティとブルマを穿き直すと、玲香に駆け寄った。
「この沼は通称、人喰い沼。一度落ちたら二度とは浮かびあがれない底なし沼なのよ」
「た…助けなくていいんですか?」
「助けることはできないし、また……」
玲香はそこで間をひとつおくと、吐き出すようにいった。
「助ける必要もないっ!」
「……ですよね」
相手は何人もの女性を絞め殺した反日思想の外道なのだ。
口では人権や平等、反権力を標榜しながらも、裏では淫虐の限りを尽くした
マスゴミや左翼メディアに守られ免責された劣悪者に更生の二文字はない。
「……いくわよ」
玲香が踵を返そうとした、そのとき――
沼の水面が光った。
波紋が広がり、ごぼごぼと水面が泡立つ。
「先輩、あれは?!」
「恐ろしい反日のエネルギーだわ」
「反日のエネルギー?」
「先の参院選で自金党が勝ったのが悔しかったのね」
ごぼ…ごぼ…ごぼ…ごぼ…!
泡立ちが激しくなってきた。
フラッシュを焚いたかのように水面がまばゆい光を発する。
沼底からなにかが浮かびあがってくる。
ま…まさか?!
バッシャーーン!!
そのまさかであった。全身を黒い汚泥につつまれた朽木弁太郎が水飛沫をあげて復活した。
つづく
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