第2話 新婚生活


「俺と結婚してくれ。」


ラルスは全てを終えた後に私の館に来てこう言ってくれた…

「もうお前を一人にはさせない。これからは俺達が一緒さ。誓ってみせる。」

とても嬉しかった…100年も生きてきてこんなに嬉しい出来事が起こるなんて、そんなの思ってもいなかった。愛する人とずっと一緒にいられるんだから!

「うん!ありがとう…ラルス!私も、誓うから…!」

ラルスの優しい手を取って、私はラルスの住む世界へと飛び込んでいった…



結婚式はその後すぐ取り掛かったっけ…生まれて初めて着る純白のドレスに身を包んで、ラルスの家の近くにある大きな村に住む人達を招待して式を挙げたような。この時のラルスはまだ16歳だから、ちょっと恥ずかしげな感じだったなぁ…

「ご結婚おめでとうございます。ラルス様、カトラ様。」

ラルスの家…マーセル邸に戻った時クロウから言われた言葉だ。

「俺、正直に言ってこの年で結婚するなんてな…」

「もぉーラルスがプロポーズしてすぐに式の準備してたのにー…」

「でも凄く嬉しいよ。お前とこうして夫婦になれたのが俺は凄く嬉しいんだ。」

「うん、私も。ラルス達と一緒にいられるのが凄く嬉しい…」

そう言うと、ラルスは私にキスをしてくれた。いきなりだったから少し顔を赤くしちゃったのを覚えてる…


ー数日後ー


「ん…?何か作るのか?」

起きてきたラルスが眠たい目を擦りながら聞いた。

「ちょっと台所を使ってスイーツでも作ろうと思って。」

長く一人で暮らしてきたせいか料理は得意。特に私は甘いものが好きだから、自分で好きなようにスイーツを作っていたこともあった。

「それで、何を作るんだ?」

「とりあえず人数分ブラウニーでも作ろうかな?」


ー数時間後ー


「出来たよ!」

「おっ!これは美味しそうだな!」

皿の上に盛られた正方形のチョコケーキからは良い香りが漂っている。

「そんじゃ、頂きます。」

パクっ、

あっ…一口で食べた…

「美味い…!美味いよカトラ!」

「あ、ありがとう…!クロウの分もあるから後で呼んでくるね。」

新婚ホヤホヤとか良く言うけど、まさにこういう他愛もない幸せのことを言うのかな…?

続く。

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