5話

私は今日も帰り際に友達と遊びに行く事になった。

今日は最近できたクレープ屋に行くらしい。カラオケとかは苦手だからありがたい。


「てか最近まじでカップル増えたよな」

一緒にいた山下が言った。


確かに最近増えた気がする。

高校生になってもう二ヶ月程経っている。

入学したばかりの最初と比べると、みんな落ち着いてきて、恋愛をしだす人も多い。


イチャついてるカップルは羨ましく思う。

私もはやく楠也と…


「まぁあそこにいる明らかな陰キャカップルとか、見るに堪えないよなぁ〜」

山下はゲラゲラと笑いながらカップルを指さした。


指した方を見た瞬間驚きを隠せなかった。


「は……?」


肩をくっつけて寄り添いながら歩いてる男女。

それは楠也と空だった。


え…?


何くっついて歩いてんの?


なんで空が楠也に触れてんのよ!

なんでいつも楠也が笑う先に空がいるのよ!!

なんで?ナンデナンデナンデナンデ!!!


その時私から空へ対する憎しみが生まれた。


私には楠也だけいればいい。

他はどうでもいい。


「お、おいどうしたんだ?……ひぃ!」

私は山下を睨んだ。


なんで私の隣にいるのがあんたなのよ!

人をすぐバカにする優しさのかけらもないカッコつけ野郎。楠也と正反対じゃない。


イライラする。頭がおかしくなってくる。

絶対に楠也はあげない。


楠也は私のだから。

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