第127話地獄
「魔法障壁展開!副砲1から4番てぇ!」
「敵、アルゲート級飛行戦艦三隻!」
「右舷回答、ワイバーンミサイル発射!」
「回避不可!衝撃きます!」
「「ぐぅぅ」」
戦端を開いたのは0630。我等の主砲がオータム砦に向けて発射された。臨戦態勢であったオータム砦駐留軍は即座に反撃を開始。ウィングメイデンに向けて砲火が集中した。
「第一降下部隊。フレームスーツの着用完了とのこと」
「オータム砦の真上を通過しろ。時間は30秒だ、第一降下部隊500名は船尾にて待機。小型飛行艇部隊、出撃。対空防御にあたれ」
この内紛において、俺達バレタニア連合軍とオータム砦駐留軍との戦力比率は25:1と普通なら負ける。いや、どうやっても負けるだろう。だが、ここでなるのが武器の性能差だ。
「副砲を魔法貫通弾頭に切り替えろ。敵の魔法障壁を打ち砕く」
「魔法貫通弾頭、装填10秒です」
「艦長、到着しました」
「第一降下部隊、降下開始!」
俺の指示の下、船尾のハッジから500人もの兵士がパラシュートを着けずに飛び降りていく。普通なら自殺行為だが、フレームスーツの性能なら安全だ。それに二両の降下装備を施したブレイバーが歩兵支援の為に降下。
「第一降下部隊、降下完了。離脱します」
「艦長!敵飛行戦艦より通信が」
「開け」
「ふん、貴様ら賊軍に私、スタンレー・コール大佐の権限で、降伏を勧告する。貴様らの行為は無用、かつ無意味だ。馬鹿な真似は止めろ」
肥えた豚がターシェ軍の制服を着せられて何か喚いている。一様、此方の画面には映っているが相手には見えていないな。
「船員諸君、俺はこれから君達に申し訳ない事をする。回線を繋げ、あと敵の二番艦にの艦橋をいつでも吹き飛ばせる様にしとけ」
「ちょっと!ランバース大佐?なにする気」
「回線、つながりました」
「通信を受けた。此方はバレタニア連合軍所属バロ・ランバース大佐だ。ターシェ軍いや、ターシェ王国における随一の汚点、無能、無秩序、不細工、豚と呼ばれるコール家の摘男スタンレー・コール少佐。我々は貴官の様に恥ずべき格好をしている豚を軍人とは認めず、ましては言葉を話す豚がターシェ軍に所属している事を知ったのは初めてだ。よって、貴官との交渉は無意味と判断する。撃て!」
「yes sir!」
画面の反対で血管を剥き出しにして震える豚がいた。「殺す!殺してやる!」と喚いているが、その時、二番艦の艦橋が吹き飛んだ。
「ワイバーンミサイル、発射」
「ワイバーンミサイル発射!」
ワイバーンミサイルが更に二番艦に降り注ぎ、敵の二番艦は地面へと炎上しながら墜落していく。
「よし、小型飛行艇全機、敵三番艦を轟沈せよ」
「「「yes sir!」」」
たった数時間でできた部下だが、わかった事がある。こいつら、血の気が多い。それよりもだ、小型飛行艇部隊は小回りが利くのを利用して、飛行戦艦に無誘導爆弾を落としていく。対空砲火を受け、被害は出たようだが爆撃後きちんと着艦した。
「艦長、敵の三番艦の対空砲火は苛烈。多大な被害は与えましたが、轟沈までは行きませんでした」
「良い、それよりもだ。戦艦戦に関してはおれたちの勝ちかな。よし、残りの空挺部隊を下ろせ。対空砲火も今は甘い、この隙を逃すな! 」
「「yes sir!」」
戦闘時間、約一時間。まだ本隊の到着まで時間がある。、、、なら、第2段階だ。
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