第83話ソルジャー、消す

私はミヒャエル・グッシード。貴族位は男爵だ。その男性たろう者が、今は夜の荒野を走っている。死神に追われ、息子達は目の前で惨殺された。妻とは落ち合う約束をしたが、大丈夫だろうか。


「ふっふっふぅ、、、ここまでこれば」


「何がここまでこれば、ないだい男爵?」


「なっ!お前は、確か我が騎士達が!」


目の前に私を陥れた死神が左目から鋭い眼光を飛ばし仁王立ちしている。


「女の子だけの部隊の事かい?ほら、やるよ」


「あっ、、、あ!ぁぁぁぁぁあ!」


我が騎士の首が私の前に転がってきた。これは私が気に入った女騎士の一人だ。私を掴みながら喘いでいた一人。女と言えど実力派には違いないはずなのに、、、生首として私の前に恐怖に震えた瞳をして転がっている。


「なぜ!何故このような事を!」


「ミヒャエル・グッシード。セリエ王女暗殺未遂の容疑で、、、僕が血祭りにあげてやるよ」


あぁ、セリエ様の護衛。昔からセリエ様には悪魔が取り憑いていると言われていたが、この者の事だったのか。セリエ様に不敬を働いた貴族の子弟や護衛を消していたのは。それを理解すると力がこもった。貴族は帯剣している。私は剣を抜き死神に向かい合った。


「私は」


「邪魔」






数時間前

バロが取りあえずの信用を取り戻した辺り


もう日が傾き、夕暮れが僕らを照らしています。何人もの関係者がきえた時、僕はとある人物を思い出しました。


「あ!!!!ミヒャエル・グッシード!奴は何処だ?!」


「バロ君、五月蝿いわよ!」


「コノハさん、ミヒャエル・グッシードはヤエさんをこの様にした張本人です。それに色々と聞きたいことも有るのでね」


普通、このようなテロを行うのなら僕ならどうするか。簡単です、逃げる一択。旅行客に扮するのが良いですし、貴族なら逆に見つけやすい。早速一番近い東門に向かった。ミヒャエル・グッシードは無能らしい、きっと直ぐに王都に向かうだろう。


「すまない。ミヒャエル・グッシード男爵は此方を通ったか?」


「いえ、ランバース殿?どうしたのですか貴族の捜索など」


衛兵に質問されたが、ここは情報共有した方が良いな。


「ミヒャエル・グッシードはセリエ様及びマリン嬢の殺人未遂の容疑がかけられている。他の門と情報共有できるか?」


「ハッ!しばしお待ち下さい」


だいたい5分程待った。すると先程とは違う衛兵が俺の方に来た。


「南門より、ミヒャエル・グッシード男爵と思われる人物が出たと報告がありました」


「了解した、情報提供に感謝する」


衛兵と僕は敬礼しあい、それぞれの職務に復帰しました。


「翼よ」


僕が一言、そう言うだけで背中に外装を突き破り、四枚の龍翼が出現した。そして、四枚の龍翼を羽ばたかせ、獲物がいる南に向かった。案の定、いたよ。どうやら部隊を呼んでいたようだ。護衛に50人程、一個小隊程度の人数が割かれている。おそらく私兵だろうな、女騎士が大半の部隊は聞いたことがない。俺は奴等の前に立ち、馬車の御者にエレメントダガーを投げつけた。額に直撃した御者は馬車の揺れにより落ち、死体はの車輪に引かれている。女騎士は潰れた顔の御者を見て、自分たちが襲撃されたと理解したのだろう。まぁ、遅いが。


「氷結、ロック」


馬車の車輪を凍らせ、岩の礫をぶつける。凍った車輪はまるでガラスの様に破壊され、バランスを崩した馬車は何騎かを巻き込みながら倒れる。


「きっ貴様は?!」


今の俺は顔を隠している。服装もソルジャーの服装だが問題ない。


「ミヒャエル・グッシード男爵だな?仕事はご苦労だった」


「まっ、まさか!私を消しに来たのか!?」


「あなた、仕事とは一体?このソルジャーなんなのです!」


女騎士達が主を守るように展開するが、事の顛末を知らない奥様には教えたあげよう。


「ミヒャエル・グッシード男爵はなセリエ様の暗殺が任務だった。でも、失敗してしまってな、、、死んで王子に使われてくれ」


王子が俺の考えるように非道な奴とは限らない。少なくとも俺は会った事が無いからだ。


「まっ待て」


「無駄だ」


男爵が口を開く前に護衛を始末した。今、俺の腕には子供が三人いる。


「長男、長女、次女か」


「パパ!ママ!」


唯一喋れるのは長男だけだ。他は寝ている。


「全員、死のうか」


「ヤメロォォォォ!!!」


「ギャァァァァァァ」


幻覚魔法を展開し、3つの叫び声が聞こえるようにした。


(男は殺すが、女児は生かしておいてやろう。我の子も、女児だったからな)


バレないよう不可視の結界を張り、二人を隠す。そして火が消えると、子供を殺されたと絶望している二人が見えた。


「奥様!旦那様!お逃げください!」


「ここは我々が押さえます!」



そして、現在に。


「貴様は、、ぐっ、何故」


「まず、セリエを危険に晒したこと。そして、グッシード男爵夫人には証人になって貰う。王子殿下のしたでは全てが道具であると」


「、、、子供を殺したお前は地獄行きだぞ」


俺はグッシード男爵に火魔法を放ち焼いた。


「ならば、龍なる神ドラグーンが子。エスエルを殺した人間は全て地獄行きだな」










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