第464話 隣
「ねー。春香、いい加減機嫌なおしてよ…」
まゆとバイトから帰ると、春香が少しだけ拗ねていた。「最近、ゆいちゃんとまゆちゃんとばかり一緒にいて私とは一緒にいてくれないじゃん…私のこと嫌いになっちゃったの?」とめちゃくちゃ寂しそうな表情で春香に言われてみんなで夜ご飯を食べた後、急遽、春香とお部屋デートをすることにした。
いつもは夜ご飯食べた後はみんなでリビングにいるのだが、今日は僕の部屋で僕と春香は2人きりだ。春香と2人きりはたしかに久しぶりなので嬉しかったのだが…春香は少し機嫌が悪いみたいだ。
昔から、春香を放って他の人とばかりいると春香は機嫌が悪くなることがあった。昔の自分なら、機嫌が悪い春香が怖くて春香のご機嫌取りを必死になってしていたが、今は春香が僕のことを本当に大切に想ってくれていて、僕が春香の想いに応えきれていないということがわかるので、どうすればいいのかはすぐにわかる。
「ギュッ…して……」
「うん」
春香の望み通り、春香を抱きしめて春香に愛情を注ぐ。春香はいっぱい僕のことを想ってくれていた。だから、僕もいっぱい春香のことを想っているよ。と、証明してあげる。
春香を抱きしめてから春香の耳元で大好きだよ。と囁くと、春香は一瞬で機嫌をなおしてめちゃくちゃ幸せそうな表情で「私も…」と言ってくれる。かわいすぎるでしょ。
そんな感じで春香のご機嫌がなおってからはコーヒーを飲みながらゆっくりお喋りした。春香から最近の話して!と言われたので、アンサンブルの練習であったことやバイトの話をする。春香は楽しそうに僕の話を聞いてくれた後に、春香の近況報告もしてくれた。2人でいっぱいおしゃべりをして、いっぱい笑った。
おしゃべりをした後は2人でお風呂に入って、そのあと2人でいつもは4人で見ている毎日更新の動画を見ていっぱい笑って、2人でゲームをして、部屋の電気を消して、少しだけいちゃいちゃしてから2人でゆっくり眠った。
もし、まゆやゆいちゃんと出会っていなかったら、ずっとこんな日々が続いていたのかな。と、眠ってしまった春香の頭を撫でながら考えていたが、僕は4人で一緒にいたい。と思った。
春香と2人でいるのは幸せだよ。昔からの夢で、一緒にいられて幸せ。でも、僕は4人でいたい。春香だけでなく、まゆとゆいちゃんのことも僕は大好きだから。
「春香、ごめんね。これからもずっと、側にいてくれる?」
春香が寝ているから。ちょっとだけらしくないことを言ってしまった。でも、春香は僕に応えるように腕をギュッと握りしめてくれた。ありがとう。と春香の耳元で囁いて僕も春香の隣でゆっくり眠った。
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