第456話 軽く






「おはよう。夜ご飯できてるから、食べれるなら食べよう」


陽菜の隣で眠ってしまっていた私が目を覚ますと春香ちゃんが優しく声をかけてくれる。時間を確認するともう22時を過ぎていて、私は数時間眠っていたみたいだ。


「春香ちゃん…ごめん。寝ちゃってた……」

「全然大丈夫だよ。陽菜ちゃんも落ち着いてるし…でも、一応、明日、ちゃんと病院一緒に連れてってあげなよ」

「うん。わかってる」


私は陽菜を抱きしめるのをやめてお布団から出るが、陽菜は私の手を離してくれなかったので片手は陽菜と繋いだまま机の前に座る。


「春香ちゃん、ありがとう」

「気にしないで。困った時はお互い様だからさ」


私に優しく微笑んでくれる春香ちゃんの存在がすごくありがたかった。


「りっちゃんは大丈夫?疲れてない?」

「うん。大丈夫だよ。少し寝れたしめっちゃ元気だよ。ありがとう」

「違う。身体もだけど…心も心配なの……大丈夫?最近のりっちゃん、結構辛そうにしてたりするから…」


辛そう?私が?なんで?私は…陽菜と毎日ずっと一緒にいられるから私は幸せだよ?辛いわけ……


「りっちゃん、陽菜ちゃんのこと、すごく大切にしてるのはすごく伝わってくる。きっと、りっちゃんは陽菜ちゃんのことすごく心配してるよね。でも、それが重荷になっちゃダメだよ。疲れたら言ってよ。私にできることはなんでもするからさ。お話聞くよ。りっちゃん1人で抱え込まないでいいんだよ。私もりょうちゃんもまゆちゃんもゆいちゃんも、陽菜ちゃんのこと心配してる。りっちゃんのことも心配してる。だから、何かあったら言ってね」


そう優しく春香ちゃんに言われて、なんか肩の荷が軽くなった気がした。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る