第385話 メイレイ







「なんで勝てないの〜」


とりあえず、一回みんなで大富豪をやって僕が1位でまゆが最下位…まあ、予想通りの結果になってしまった。


「じゃあ、まゆには罰ゲームで僕の命令聞いてもらおうかなぁ」


ぐへへ。どんな命令しちゃおうかな。なんでも、聞いてくれるんだよね?まゆが言い出したんだから今更なしはないよね?どうしようかなぁ。


「りょうちゃん、まゆになんでも命令していいよ」


そう言われると命令し難いよ……春香とゆいちゃんなんかいいなぁ。とか言ってるし、その様子を見て春とりょうたくんちょっと引いてるし……


「りょうちゃん、まゆに何して欲しい?」

「えっと、じゃあ、どうしようかな…あ、そうだ。じゃあ、誕生日プレゼントにまゆが欲しいもの教えてよ」

「りょうちゃんが側にいること。それだけで十分です。はい。命令おしまい。じゃあ、次のゲーム始めよ」


何度まゆに誕生日に何が欲しいのか聞いても同じことしか答えてくれない。話題を変えるためか、まゆは慌ててトランプを配り始める。まゆの誕生日にまゆに1番喜んでもらえるプレゼントを渡したいからこうしてリクエストを聞いているのに……


「りょうちゃん、ありがとう」


トランプを配りながら小さな声でそう言ってくれるまゆがかわいすぎた。まゆの誕生日の日は1秒もまゆから離れないようにしよう。ずっと側にいてあげる。


そのあとも大富豪を続けたが、ずっと僕は1位だった。途中、春やゆいちゃんが最下位になった時にさりげなく2人が仲良くなるきっかけをつくってあげようとしたが不発に終わった。やっぱり、いきなりじゃなくて時間をかけて様子を見るべきなのかな…


そんなことを考えていると僕以外のメンバーがひそひそと何かを話していた。何を話してるんだろう。


「じゃあ、もう一回やろうか」


まゆ…めっちゃにやけてる。何を企んでるんだ?ポーカーフェイスできないまゆ、かわいいなぁ。


「ずるい。インチキだ!」


企んでるとかそういう次元じゃなくて全員で結託して負かしにきやがった。絶対勝てない。


「ふふふ、りょうちゃん、やっと最下位になったねぇ。さて、じゃあ、まゆの命令を聞いてもらおうか」


どんな命令されるんだろう。怖いよ。


「まゆの誕生日の日は、絶対にずっと、まゆの側にいること」

「もちろんそのつもりだよ」


まゆの命令に即答すると、まゆはちょっとだけ顔を赤くして小さな声でなら、よし。と言う。かわいすぎるよ。絶対誕生日の日は1人にさせないから。ずっと一緒だから。


そんなバカップル全開のやり取りをして、大富豪は終わった。





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