第41話 夜中の誘惑






「ねえ、本当にこれ以上のことしなくていいの?」


僕の太腿の上に頭を置いているまゆ先輩が上目遣いで僕を見上げて甘い声で誘惑をしてくる。


「まゆはどんなことだってするしどんなことだってしてくれていいよ。まゆがこんなこと言うの今日だけだよ。どうする?」

「さっきも言ったけど、付き合ってもいないのにこれ以上はダメだよ…」

「じゃあいいもん。まゆ、もう寝る」


まゆ先輩は頬を膨らませて不満を表しながら僕の太腿から頭を離してベッドに横になった。僕もまゆ先輩の横に寝転ぶ。するとまゆ先輩は僕を思いっきり抱きしめた。本当にかわいいな。と思いながら悪戯でまゆ先輩の耳をそっと指で触った。ひゃん。とかわいらしい声をだすまゆ先輩は本当にかわいかったが、まゆ先輩にもう終わりって言ったよね。と怒られてしまう。


「ごめんね。まゆがかわいかったからつい…」

「まあ、今回だけは許してあげる」


まゆ先輩は顔を赤くしながら言い、照れ隠しをするように僕をギュッと抱きしめる。かわいいなと思いながら頭をそっと撫でてあげると嬉しそうにもっと撫でてと言ってくるのが本当にかわいい。



その後、本当に寝ないと明日起きられないとなりお互い寝ようとするが、まゆ先輩にギュッと抱きしめられていた僕をドキドキして眠れる状況ではない。


しばらく眠れずにボーっとしているとまゆ先輩がムズムズと動き始めた。


「ねえ、りょうちゃん、まゆ、背中痒い…だけどまゆ、手が届かないから代わりに背中を掻いてくれない?」

「いいよ。じゃあ、背中向けて」


それくらいならいいか。と僕は了承する。まゆ先輩は僕を抱きしめるのをやめて背中を向けた。


「どこら辺が痒いの?」

「えっと…背中の真ん中の右上の辺り」


まゆ先輩に言われた場所ら辺を掻いてあげるともう少し上と言われたので手の位置を上にずらすと指が何かに引っかかった感触がある。


「あ、ごめん…」

「いいよ。気にしないからそれよりはやく掻いて」


まゆ先輩に言われてまゆ先輩の下着になるべく当たらないようにまゆ先輩の背中を掻いてあげる。


「どう?」

「うーん。まだ痒い…ねえ、服の中に手入れていいから直接掻いて」


まゆ先輩は自身の腰の辺りから服を少しだけめくって僕の手が入りそうな空間を作った。さすがにそれは…と思っているとまゆ先輩が恥ずかしいから早くしてと言うのでまゆ先輩の服の中に手を入れる。


「ここら辺?」

「えっと…その…言いにくいんだけど…その…まゆの下着の下ら辺が痒いの…その、少し持っていいから下着の下ら辺掻いてくれない?」


まゆ先輩に言われてとても抵抗があったがまゆ先輩が少し辛そうに早くと言うので覚悟を決めてまゆ先輩の服にもう片方の手を入れて、片方の手でまゆ先輩の下着をそっと持ち上げてもう片方の手でまゆ先輩の下着の下ら辺を掻いてあげた。


「どう?」

「めっちゃドキドキしてる」

「そうじゃなくて…」

「ごめんね。痒いって言ったの嘘なの…まゆ悪い子だよね…りょうちゃんに触ってほしくて嘘ついちゃった。まゆみたいな悪い子にはお仕置きが必要だよね。お仕置きにりょうちゃんの手をそのまま、まゆの正面に移動させてもいいんだよ。どうせなら、恥ずかしいけどこのまま、まゆの服を脱がして好き放題まゆを躾けてくれていいんだよ」


………まあ、服の中に手入れてとか言ってたくらいからなんとなく察しはついていたけどやはり誘惑だったみたいだ。ここで誘惑に負けてはいけないとは思うがこれだけ好き放題誘惑されて何も仕返さないのはなんか尺だ。


「え…あ、ちょっと…それだけはだめぇ…まゆそこ弱いの」


まゆ先輩の脇の少し下辺りをくすぐるとまゆ先輩はめちゃくちゃ気持ちよさそうな表情で言う。必死に気持ちいいのを我慢しようとしている様子がなんとも可愛らしくて足の爪先をピクピク動かしている姿はなんとも言えない可愛らしさがあった。


普通ならくすぐったいからやめてと言うと思っていたのだが、まゆ先輩にとって脇の下辺りは気持ちいいポイントらしい。


それから数分間、まゆ先輩の甘い声とかわいらしい動きを堪能してくすぐるのをやめた。


「はぁ…はぁ…なんで…やめちゃうの…」


さっきまで散々やめてと言いながら気持ちよさそうに悶えていたまゆ先輩が息を整えながら僕に尋ねる。


「服の中に手を入れてくすぐるの結構難しくてかなり疲れたから…」


僕はそう言いながらまゆ先輩の服の中から両手を出した。僕の言葉を聞いたまゆ先輩は不満そうに頬を膨らませている。今日何度も見た表情だが、何度見てもかわいい。


「でももっとやってほしいな…」


まゆ先輩はそう言いながらTシャツを脱いで上半身下着姿になってベッドの上に横になった。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る