第3話 その2
自分で言うのも何なんだが…僕はふわふわの薄黒い髪に母に似て初めて会った人には女の子に勘違いされるほどの美少年で!童顔だと自負している。
でも…彼女もいないし……童貞です。
急にルルさんが落ち着きがないようにもじもじして顔も少し赤くなった。
変態みたいに鼻息も少し荒い…。
それより…僕はその返事に困って…苦笑いしながらしばらく黙々と暗い空を見上げていた。
「ふむふむ…何か悩みがありそうだな…付き合ってくれている御礼とはなんだが…相談にのるぞ?」
相談する事を勧められたがあまり気が乗らなかった。
でも…ルルさんは真剣な顔だったので…いいですと言えない。
まあ…幽霊にならいいんじゃない?
そう思った僕は空に向けて過去の事から現在までの事を独り言のように話した。
ルルさんはそれを黙々と聞いてくれた。
「ふむふむ…9歳の時両親と祖父の実家から帰りに交通事故ね……奇跡的にハルト君だけ無傷、以後…時々異常な現象か…例えば?」
「体調が悪い時とか落ち込んでる時に自分の周りが歪んで見える事やいきなり物が壊れたりしました…あはは」
幻覚か精神的な病気かと思われるのが普通だ。
「続いてくれるかい?」
「……はい」
僕が人と関わりを拒む決定的な原因は高校入学して間も無く…学校内で不良グループに絡まれてリンチにあってからだ。
意識が朦朧となってしばらく…気付いたら周りの不良達は血だらけでかなりの重傷を負っていた。
11人の中、まだ病院で退院出来ない人が7人…正当防衛といえ大事件だったので僕も停学になった。
停学が終わった後、その噂を聞いて好奇心で喧嘩売って来る輩のせいで更に大事件…。
今度は相手は勿論…無関係のクラスメイトまで巻き込まれた。
それで、学校生活が混乱になって退学し…家に引きこもるようになった。
知り合いに遭遇しないように昼間は避けて夜に外に出て買い物を済ましたり街をフラつくようになった訳だ。
「なるほど…うむうむ…凄いSF的な話だな!この世界の超能力見たいな?……ワゥ!」
ノリノリですな…異世界から来たと言った割に凄い知識だ。
「あはは…ですよね……」
こんな話し信じて貰える訳ない。
幽霊にまて…バカにされた気がした。
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