残飯その9 “かく”という事


 たとえつまらないものでも。

 どれだけありふれたものでも。

 そこに生きる誰かにとっては、

 賭け値のない想いで成り立っている。


 だから人はかく。

 絵をかく。本をかく。夢をかく。

 誰に見られるでも、金になるでもなく。

 自分の生きた証を形に残す。

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