ヒト 

蛭子

2人の勇者

王は言った。「世界の平和のために、邪悪な敵を倒すのだ。行け、勇者よ!」

こうして、2人の勇者は剣を持って旅に出た。


2人の勇者は道行く先でモンスターと出会った。

2人の勇者は平和のためにモンスターと戦い、打ち負かした。

2人の勇者に敗れたモンスターは、

「どうして...こんな...」や、「私たちが一体、何を...」などと言い残し、倒れていった。


2人の勇者は、戦い続けた。

たくさんのモンスターを倒し、自身もまたたくさん傷ついた。

だが、2人の勇者は平和のために進み続けた。


2人の勇者は、いくつもの村を救った。

彼らに助けられた人々は皆同様に彼らに感謝し、笑顔だった。

その裏で、2人の勇者に倒されたモンスターたちは皆同様に彼らを恨み、苦痛に満ちた表情で倒れていった。

モンスターの中には家族がいる者や、大切な人が待っている者もいた。

しかし、2人の勇者は平和のためにその歩みを止めなかった。


2人の勇者は、たくさんの人々を傷つけ、世界の平和を乱している者がいると知った。

2人の勇者は、世界の平和のためにその者を倒すと誓った。


こうして2人の勇者は、世界の真ん中で出会った。

1人の勇者が言った。

「お前がたくさんの人々を傷つけ、世界の平和を乱す邪悪なモンスターか。」

もう1人の勇者が言った。

「いいや、違う。お前こそがたくさんの人々を傷つけ、世界の平和を乱す邪悪なモンスターだ。」


2人の勇者は、戦った。

どちらも一歩も譲らない激戦だった。

2人の勇者は、世界の平和のために目の前にいる邪悪な敵を倒さなければならなかった。


そして、2人の勇者が持つ剣はどちらも、もう一方の勇者の胸を貫いた。

2人の勇者は倒れた。


2人の勇者に悔いは無かった。

世界の平和のために戦い、邪悪な敵を倒せたのだから。

2人の勇者はたくさんの人々を救い、たくさんの人々を傷つけた。

自身の正義を信じて、2人の勇者はたくさんの邪悪な敵と戦い、倒し、最後に自身も倒れた。


全ては世界の平和のために。



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