第27話 【精霊騎士】、大将軍ベルナルドと手合わせする
とまぁそう言うわけで、模擬戦の場へとやってきた俺はまずはルールの確認をする。
「勝ち負けはどうやって決めるんだ?」
「シンプルにどちらかが負けを認めるまでってのはどうだ?」
答えたベルナルドは既に動きやすいように軍服の上着を脱いでいて、手には巨大な
斧の刃を背中合わせにくっつけた超重量級の武器だ。
「わかった――戦闘精霊【タケミカヅチ】、精霊術【カグツチ】発動!」
――御心のままに――
俺はまず戦闘力を大幅向上させる【カグツチ】の精霊術を発動した。
俺の身体に戦闘精霊【タケミカヅチ】の強大な力が巡りはじめる――!
さらに俺は、
「【ザ・パワー】、精霊術【テストステロン】発動だ!」
――フンガー!――
力の最高位精霊【ザ・パワー】に呼びかけ、筋力を大幅に増強させる精霊術【テストステロン】を発動した。
鬼族はなんせ力自慢だからな、まずは押し負けないようにしないといけない。
「へぇ、それが【精霊騎士】の精霊術か。魔王さまのとは次元が違うじゃないか。いいね、アタイもたぎってきたぜ! ってわけで行くぜ、オラァ!」
その言葉と共に、ベルナルドが猛烈な踏み込みからバトルアックスを叩きつけるように振り下ろした。
超重量級に分類されるバトルアックスを、ベルナルドはまるで細い木の枝でも振っているかのように軽々と振り回してくるのだ――!
しかし俺はそれに即座に反応すると、
「ハァァァッッ――!!」
抜刀した勢いそのまま【黒曜の精霊剣・プリズマノワール】でもってベルナルドの激烈なる一撃を弾き返してみせた。
「へぇ、やるじゃん……まさか今のをよけもせず、真っ向勝負で弾き返すとはね」
「1、2の3で来ると分かってりゃ、そりゃまぁな」
「言ってくれるじゃないか――ならこいつはどうだい!」
次にベルナルドが繰り出したのは、打ち込むと見せかけたフェイントからの、俺の防御タイミングをずらしながらのこれまた強烈な一撃だった。
鬼族はただ力が強いだけではない。
武器を扱う技術も闘志も戦術も駆け引きも、どれをとっても最高レベルの戦うことに極限特化した根っからの戦闘種族なのだ――!
しかし俺はその動きもしっかりと見切ると、【黒曜の精霊剣・プリズマノワール】でこれまたなんなく弾き返してみせる。
「いいね、いいね! 想像以上にいいじゃないか! オラっ、オラオラっ、オラァ――!!」
次々と放たれるベルナルドの猛撃を、
「おおぉぉ――っっ!!」
俺も一歩も引かずに打ち返し、さらには反撃の一打を繰り出してゆく――!
キンキンキンキンキンキンキン――――ッ!
激しく打ち鳴らされるバトルアックスと精霊剣。
「いいじゃないハルト! 素敵だぜ! まさかこれほどとはね! アタイも腹の奥がキュンキュン熱くなってきたよ! これはアタイも真の力を見せてやらないとね!」
「――っ! いけませんベルナルド様! それだけはおやめください!!」
ここまで模擬戦を静かに見守っていたミスティが悲鳴をあげた。
しかし俺との戦いでテンションアゲアゲなベルナルドは、外野の言葉なぞ聞き入れはしない。
来るか――。
鬼族の持つ【
「【鬼力解放】――っ!」
その言葉と共にベルナルドの筋肉という筋肉がメキメキと音を立てて盛り上がっていく――!
【鬼力解放】することにより鬼族はただでさえ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます