ー6ー KAC20212 「走る」(25文字)


 ◆◆◆


 嘘よ、走り出せ。あの繋ぐ夏の汗だ。利子は止そう。


 ◇◆◇


 うそよ、はしりだせ。あのつなぐなつのあせだ。りしはよそう。


25文字!


 ◆◆◆



 KAC20212のテーマは「走る」

 でした。


 今回もエピソードタイトルに回文を使おうと思い、なんなら回文を作ってから、本文の内容をそっちに寄せようと思ってました。


 回文的に、動詞の「〇〇る」はちょっと作りづらいので、嫌煙しがちです。「はしる」の場合、「るしは」となって、「る」から始まる単語の無さに、しりとり以上に愕然とするからです。


 その点、「走り〜」みたいに活用を変えると解決したりします。ここで謎の「利子」という単語がエピソードタイトルにお邪魔することになりました。


 あと個人的に、「夏」と「繋ぐ」の親和性が高くて好き。

 どう転んでもエモくなります。

「つなぐなつのあせ」からリレーっぽい内容にしよう。

 順位当てパズルにしようと、後から思いました。


 この回文をエピソードタイトルにした小説がこちら。

 https://kakuyomu.jp/works/16816452219031031259

『入賞者にメダルを』


 この時はまだミステリー縛りで頑張ろうと思っていました。


 問題を作るのはまぁ、なんとかなりますけど、答えを一意にする(別解を作らない)条件指定が大変なんですよねー


 おっと、違う話になって来ました。

 回文の話でした。


「走り〜」の後は「出せ」にすると、「夏の繋ぐ汗だ」といい感じにエモく繋がったので、良かったです。


「走り」を「利子は」にしたことによって、利子は〜の後をどう続けるかが回文を締めることにあたって必要でした。


 実は、嘘は回文的に使い勝手がいいです。

「うそ」は「そう」となり、「〇〇そう」という言葉に繋げやすくなります。

「空想」とか「火葬」とかの言葉はもちろん、「〇〇しでかしそう」、「〇〇だそうだ」みたいな持っていき方もできる有能な言葉です。


 今回は「そう(やめよう)」という形に落ち着きました。




 あとこれはちなみになんですが、基本僕は回文、10分〜30分くらいで作ります。

 多分これは5分くらいだったかな。


 小説のように、頭の中に無限に広がる世界を拾い集めるわけでも無ければ、何も無いところから生み出すわけでもなし、行きに通った道を折り返すのが回文ですので、そこまで時間は掛かりません。


 あとはクオリティをどこで妥協するか、もうちょい回文を伸ばして表現を付け足すか〜みたいな区切りが自分の中にはあって、それで文字数が伸びたりします。


 私爪切り器滅したわ。

 この「私〜したわ」シリーズは、無限に遊べる回文の雛形なので、頭の体操にピッタリです。

 回文作ってみたいな〜と思っている方は、自分の好きな言葉を入れてみて、作ってみたらいかがでしょうか。



 それではまた次回!




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