キッドさんの四国上陸 その3

第3話「朝倉の“友を訪ねて300キロ”の巻」


兵庫県を抜けると、いよいよ岡山県

ようやく半分以上は来たかな~と思うけど、まだ本州

この国はやっぱり縦に長い


岡山と言えば桃太郎、きびだんご、そして「晴れの国」と

後で知ったことだが、岡山県は日本でも有数の「雨の降らない」街なんだそうな

この日の快晴も頷ける


ちなみにお菓子で有名な「カバヤ」があるのも岡山県

カバヤバヤバヤキャンベビー♪

のカバヤだ。テレビ東京で夕方やってるアニメのコマーシャルでよく流れてたあのカバヤさんである

フルタ製菓さんと結構混同するよな。輪投げチョコとかセコイアチョコはフルタ製菓さんだもんな


ずっと走ってきた250号線がここで2号線と再び合流するため、また少し走る

ここからはバイパスになっているので快適であった

岡山市が近づいているとあって朝倉はそわそわ

幼馴染が岡山の大学に通っているらしく、ためしに都合を聞いてみて会えるなら会いに行こう!と考えていたのである。我々も時間が空いているし、是非会って見たい

朝倉が電話をかけて場所を聞き出し、佐野が地図を見る

ふむふむ……

なんとその大学は3名が左折する交差点を逆方向に進んで数キロも行かない地点にあった!

それなら話が早い。さっそく出向くことにし、朝倉の友人「カミヤ君」にもご足労願うことに


いざ岡山市街へ!いやー見知らぬ町へ入るときはカントリーサインを見つけるだけで大興奮ですな

岡山市は全国でも珍しくなった路面電車が走る街だ

我が故郷・豊橋でも市内電車は元気に走っているが、この他には世界50ヶ国400都市で、日本国内では20都市で運行している、とのこと

(2007年現在)

いまふと気になって軽くウィキペディア覗いたらまだ世界50ヶ国400都市だった。そんな変わってないのか?てか、便利になったなホント

自分たちの住む街以外で路面電車を見るのはなんとなく楽しいものだ


さて、問題の岡山大学に近づいたわけだが、カミヤ君の姿が見えず

また電話をしてみる…ナニ?別キャンパス?

そういうわけで、また少し進む

なにやらやけに人が多い…体育館や大きな公園があったんだけど…どうも大学で何か催し物をやってるみたいだ

それに、そのとき見かけた体育館では後日、女子バレーの試合があるんだってさ


バレーが好きな平松大興奮

平「俺たちすげえ所にいるんだ!!」

…ロックとかわかんない人にサマソニ連れてったらこんな感じか

車に興味ない人に平日の鈴鹿サーキットで

「ここでF1やるんだよ!」

と言うようなものでもあるな

三者三様の車は岡山大学の別キャンパスに向かうが…交通量が半端無く多い!

なんとかたどり着いて、細い道をなんとか通り抜けたところ

朝「あ、アイツだ~!」

カミヤ君登場。タイミングの良い人だ


博多華丸さんにちょっと似ていたカミヤ君は、実直で真面目そうな感じだった

にこやかで話の分かるだ好青年だったが、さすがにこの旅の目的と移動手段を聞いた時は顔が引きつっていた。元気かな


佐野と平松も挨拶をして、朝倉としばし談笑


その間に平松と佐野は近くのコンビニでトイレを借りる

ザ・ニッポンの大学生!みたいな人で駐輪場から店内まで溢れ返っていた

店員も大学生が多いのか、トイレ付近で平松を待ちながらローカル商品などを物色していた佐野に、店員が余所見&客と私語をしながら…ゲラゲラ笑って突撃してきた。コッチを全く見ていない


身をかわし、思いっっっきり睨み付ける佐野。

こういう店員が嫌いらしい

無言の圧力というより、ガッチガチ頭にスーツの怪しい風体を不審に思ったことだろう

「あっ、さっせ~ん…」みたいな感じで、かる~く謝られた

トイレを済ませたら何にも買わずに出たかったけど、大好物のポンジュースだけ買って出た


さて、戻ってみるとカミヤ君は中々面白い人のようだった

話しやすいし、朝倉の長年の友人とあって我々を歓迎してくれた

他愛もない話をしつつ、故郷を離れて勉強するカミヤ君を尊敬する我々


どこかからバンド演奏の音が聞こえてくる。

これがまたヘッタクソなブルーハーツ…今度は平松が怒りをあらわにする(笑)

平「オレ、下手なブルーハーツでギター弾けるって言う奴キライなんだよなあ」

何を隠そう、彼は超絶早弾きギタリストである。 ハードロックはおまかせ!なので、下手なのを言い訳にパンクを弾いて、弾けた気になる人が嫌なんだってさ

パンクだから下手なのか、下手だからパンクなのか

どっちでもないだろうね

たまたま金の卵があって、それに対して「パンク」と名が付いただけで

儲かるからパンクで、儲かるから下手でもいいんだろう

「グっと来るかどうか」

だけなんだろうね。要は


そうこうしているうち、カミヤ君は学校の用事でそろそろ行かねばならず、我々もまた出発する事になった

時間にして1時間も居なかっただろうか

朝倉には濃い時間を過ごしてもらえたようだし、何よりカミヤ君には重大なきっかけを与えてもらった


岡山に「やまや」があるのだ!

「やまや」とは、我々が全国津々浦々で立ち寄っていたお酒のディスカウントストアのことである

朝倉くんも豊橋にあるお店で働いていたことがあるので、それも縁ってことで前回の石川でも「やまや」に立ち寄ったのだった

岡山に「やまや」は3箇所

そのうちのひとつが通り道にあった。 何かとタイミングのいい岡山である


大学の前から出発し、なんとかさっきの幹線道路に戻りたい3名

しかし、佐野が曲がる交差点を教えたときにはすでに通過してしまい…川沿いのなんども細い道に出てしまう

すれ違うのもやっとの道で、どうにか切り返せないかと苦戦する平松

迂回路を探す佐野

おもむろに朝倉が言う

朝「アレ?石川かどっかでもこんな事なかったっけ?」

平「あったねえ~~!」

…軽くデジャヴ。トリプルレッドカードのお姉さん(可愛い)じゃないぞ

多分二度とも、佐野の誘導ミスと推測される。ごめんなさい

そう、私のナビは時々狂う。そしてコレが後々……


「やまや・岡山南店」は朝倉の元バイト先より少し小さかったが品揃えは流石の充実ぶり

そこで今宵の酒(宿舎で飲むのだ)とツマミを買い込み出発。 再会と日本晴れの岡山を後にして、もう四国は目の前……



つづく。

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