【GM用】シナリオ

※後日再編集予定(4/24日更新)

※再編集しました!(5/5日現在)


オープニングフェイズ

シーン1:晴天に広がる星 PC①

自らの目を疑った。快晴の空に星が広がっているのである。確かに、日中も太陽の輝きが無ければ星は見えると、授業で聞いた覚えはあった。それにしたってここまで鮮明に星座が見えるのはおかしい、ありえない事だとあなたは考える。そこへ一人の青年が近寄って来る。


青年:「珍しい、異邦からの旅人か?」


現在地を聞かれた場合

→「ここは星見の庭だよ、ネペレーの守護下にあるから安全さ。」

青年について聞かれた場合

→「俺?俺は…アリエス。ここで本を読んだり、草花の世話をしたりしている。」


170cmくらいの背丈の青年はアリエスと名乗り、そこにずっといると夜は冷えるから、と近くの神殿へあなたを案内する。そこは手入れが行き届いた大きな神殿であり、多くの人々が行き来する活気のある場であった。


シーン2:夢か現か PC②

あなたはうっかり昼寝をしてしまった、と思いながら起きるだろう。すると、そこは見知ったサンルームではなかったのである。


???「ようやっと起きたか人の子よ!いつ起きるかと茶を飲みながら待っておったぞ~」

声のした方を見やるとギリシャ彫刻を体現した様な美丈夫がティーカップを傾けながらカラカラと笑っていた。


名前を聞かれた場合も、そうでない場合であも、まずは本NPCの名前を伝えること。

???「私の名前はヘルメス、君たち人の子が信奉する神をしている!」


場合について聞かれた場合

→「ここはテッサリアの図書館さ、アイオロスの栄光を称えた大建造物の一部がここってわけだ。」

ヘルメスについて聞かれた場合

→「私は旅人の道行きを祝福する神だからね。君みたいな異界の旅人を助ける事だってするさ。」

「君の他にも異界からの旅人が来ているんだ。取りあえずここから我が神殿まで移動しよう。」


さぁ、とヘルメスはこちらへ手を差し伸べる。君はなんだかよくわからない世界に来てしまったが、人好きのする彼について行ってみる事になる。


シーン3:旅人たち PC③

UGN日本支部長の霧谷雄吾の言葉にあなたは耳を疑うだろう。チルドレンやエージェントが昏睡状態のまま目覚めず、その身体の周りには星空が広がっているという。弊支部でもその症例が出てしまい、昏睡した彼らをエージェントが回収したという。コーヒーブレイクもそこそこにあなたは医療班へ向かうことになる。


医療班:「あ、支部長!そこの銀河超えて奥まで来て下さい。」

「あぁぁあ!またアンドロメダで衝突が起きてるんだけど!!天文部隊はまだなの!?」

「ほんとCOSMOSかって感じですよね、君は宇宙とはよく言ったもんです…。」


銀河を超えた先に眠っていたのはルーキーのPC①だった。見た目に変化は無く、本当によく眠っているという状態である。医療班に保護されたのは通学路にある空き地だったという。他のUGNエージェントがパトロールをしていたところ、異常反応があり急行すると、小宇宙の真ん中に彼が眠っていたそうである。


目の前の光景に唖然としていると、廊下からどたどたとこちらへ向かって来る複数の足音が聞こえる。部屋へ入って来た彼らは、天文部隊という腕章を付けており、UGNの他支部から派遣されて来たという話を、近くの職員から聞くことが出来る。


天文部隊:「お待たせしました!惑星間誘導砲MK-Ⅻイス=アンドロメダ持って来ました!!」

医療班「っし!これで意識レベルの乖離はどうにか防げるわね…。」

天文部隊「あとは現地へ彼らを迎えに行く人が必要なのですが….」


その会話を受け、部屋中の視線があなたに集まる。物騒なネーミングのマスケット銃を持った天文部隊の一人があなたへ近づいて来るだろう。


以下惑星間誘導砲MK-Ⅻイス=アンドロメダの簡単なニュアンス説明。

詳しい情報は情報収集フェイズでの開示を勧めるが、PCの反応に合わせて適宜アイテムデータから対象者へ情報開示を行っても良い。


天文部隊「支部長お願いします…この銃は精神力を糧に弾丸を放ちます。」

「しかも、昏睡事件の元凶にしかこの銃は発動しないんです。つまり、我々もこの銃の正確な姿はわからないんです….。」

「我々では良くて1発しか撃てません…。」

「発動権限者は支部長に設定してあるので、発動してから他のメンバーへ託すなり、支部長本人が撃つなりの判断をお願いします…!」


そう懇願されたあなた。どうやら拒否権は無い様である。銀河の広がる病室内の空いているベッドへ案内されると、天文部隊員から先ほどのマスケット銃と共に懐中時計が渡された。


以下懐中時計型コスモホロスコープの簡単な説明。ロールプレイ重視型のPCがいる場合、登場NPCに対してこれを用いるとボスキャラか否かを判断出来るということを伝えて良い。

天文部隊:「これは旅路の安全を願うコスモホロスコープです。」

「この事案の元凶が現れるとこの星座盤が歪みます。」

「ホロスコープの歪みは命の歪みなんです…。そのまま放置すると対象の人間を死に至らしめる力があります….。」

「マスケット銃は実体を解除して体内にしまっておけますので、使う時に実体化してくださいね。このブレスレットが生体人証代わりになっています。」


怒涛の説明を受けてあなたはスペキャ顔になりながらも、ベッドへ横になればすぐに眠気がやって来る。どうか自らの旅路がハルマゲドンになりません様に…。そう願い瞼を閉じる。


ミドルフェイズ

シーン4:銀河を超えて PC③

次にあなたが瞼を開くとそこは大きな学堂の様な場所であった。目に見える範囲に人はいないが、遠くから人々の往来や談笑が聞こえる。自分の感覚的にも危険は感知出来ない為、取りあえず安全そうな場所に出た事はわかるだろう。しかし、ここは本当にどこなのか…。ここから出て雑踏の方へ向かうか、と思いよっこいしょと腰を上げる。すると、突然誰かに話しかけられる。


???「こんにちは異邦人のあなた。ようこそ異聞帯へ。」

場所について聞かれた場合

→「ここはヘルメスの神殿、旅人を迎え入れる場です。」

名前を聞かれた場合は、彼女は答える気がなさそうであることを伝える。

→「私はしがない精霊ですよ、気合いだけで生きながらえているだけです。」


そう語る彼女は名乗る名などないと言わんばかりに微笑む。あなたは何となくこれ以上追及してはいけない気がして、黙り込んでしまうだろう。


「あなたが探しに来た人々の元へお連れしますね。」


彼女に手を引かれて歩み出す。学堂を進むと、直ぐに人の往来のある通りに出るだろう。あなたは、活気ある神殿付近の様子を見て、やはりヘルメスは篤く信奉されているのだと理解するだろう。ここまで道案内をしてくれた彼女にお礼を言おうと振り返ったが、一歩後ろへいた筈の彼女は気付くといなくなっていた。


シーン5:神殿にて

全PC強制登場を求める。場所はPC①が目覚めた草原付近のヘルメス神殿。このシーンはPC間の顔合わせやロイス枠埋め等をするシーンである。また、ここで全PCはアリエスへのポジティブなロイスを獲得する。各自ロイス表を振るか、選択する等して欲しい。このアリエスのロイスは、ラスボス撃破ギミックに必須の条件の為、必ず獲得すること。初心者PCはロイスについてよくわかっていない場合がある為、卓を囲むメンバーはきちんとフォローしてあげて欲しい。特に、本シナリオはPC3人用で作成している為、ロイス枠を埋め切らない可能性がある。シナリオ執筆者的にはキャラロスをして欲しくないので、GM各位は十分注意してあげて欲しい。


PC達がロイスを結び終えた段階で、情報収集シーンに移行する為シーンをカットする。場合によってはここで以下の情報項目を開示し、行動指針を立てさせるのもよいだろう。


◆大凶作について

◆作物の種の状態

◆ゼウスの神託


また、ここでヘルメスが情報収集のみ手助けをしてくれるとアナウンスを入れる。お助け技能は以下の通りである。


«知恵者»ヘルメス

[情報:全て]に対し、判定ダイス+3

浸食値を1D10振り、再度情報技能判定を行っても良い。

この時の情報判定方法は、ヘルメスに力を借りる前に振った際の一番大きい値へ、

ヘルメスに力を借りた後振った際の一番大きい値を足して計算すること。

例)

ヘルメスのお助け無し[5,4,6] 一番大きい値は6

ヘルメスのお助け有り[5,3,7] 一番大きい値は7

この2つの数値を足した[13]が情報判定の値となる。


シーン6:情報収集パート1

◆A-1大凶作について

[情報:UGN7]

今年は特に酷い大凶作で、農民は今日明日の食い扶持にも困窮し、市民も飢えに苦しんだそうだ。その飢えの結果、対応に困ったアタマス王はゼウスの神託を受ける事にしたのだという。


◆A-2 噂

[情報:噂話7]

アタマスの妃はあまり人前には出ず、奥宮に籠っているという。情報の正誤はわからないが、聞くところによると妃は市場経済や宗教関係の事柄に指示出しをしている様である。彼女の言う通りの結果がよく出るらしい。


◆B-1 作物の種の状態

[情報:知識7]

畑にまいた種について農民に聞くと、特に変わった見た目は無かった様に思えると話すが、1つ挙げるならば軒並み焦げた様な跡があったと答える。しかし、それ以外は一粒一粒が大きくしっかりと育ちそうな印象だったそうだ。


◆C-1 ゼウスの神託

[情報:裏社会8]

アタマス王が神官達を遣わせて伺った所、「プリクソスを生贄に捧げなければならない」という神託がなされたそうである。プリクソスとは、テッサリア王アタマスの息子だ。彼は現妃の子では無く、前妻ネペレーの一人息子である。


◆AC-1 ``ヘレ``

[情報:噂話10]

無垢なる少女、太陽の微笑みを湛える人。そんな彼女の命の灯を奪ったのは不慮の転落事故だったという。しかし、彼女の死後、街にはこんな噂が流れたという。継母に疎まれた故に彼女は妃に殺されたのだ、と。


シーン7:ミドル戦闘(イーノーが買収した兵)

全PC強制登場。情報収集を続けるPC達へ近づいてくる者がいる。その者は白き衣をまとった神官の様な格好をしているが、剣呑な雰囲気であり、こちらへ敵意を持っているであろうことがわかる。


神官:「おやおやおや、鼻の良い人間がいたものだ。だが、その勘の良さは猫をも殺すんですよ。」


ミドルフェイズ戦闘を開始する。

エネミーは堕神官1体。エネミーとPC達の距離は10mとする。

勝利条件は堕神官を一度戦闘不能にすることである。堕神官は戦闘不能になった後[蘇生復活]で復活し、[瞬間退場]で退場する。トドメを指す必要はない。


神官:「なるほど、これは手強い…。」

「給料分の仕事はしたでしょう。」


ミドルフェイズ2

シーン8:情報収集パート2

◆D-1 天翔ける黄金ひつじ

[情報:学問or知識8]

天翔ける羊はヘルメスの預かっているとされる生き物である。彼に伺うと、この羊は黄金に輝く毛並みを持ち、人の言語を解するという事を教えてくれる。また、PC達へ観光の記念に見させてやりたかったが、今はその羊を見せる事が出来ないと申し訳なさそうな顔をされる。


◆D-2 晴天の綺羅星

[情報:知識9]

晴天に輝く星々は紛れもなく本物である。この街の人間はこの現象を当たり前の事と考えており、何とも不思議なものとは思っていない様である。しかし、この星座群はPC③の持っている星座盤と異なり、見えるはずの牡羊座が存在しない。


◆E-1 イーノーという女

[情報:裏社会10]

彼女は自らの子を愛している。故に、他人の子など眼中に無かった。単に邪魔だったのである。我が子の障害となる物は何だって減らしておきたい。そういう考えの女なのだ。故に、農民を騙し作物の種を火で炙ることで大凶作を起こし、虚偽の神託を買収した神官に話させた。

しかし、ここまで実行したのは、彼女の子を愛する気持ちによるものではない。子を大切にする母を演じる己に酔っているわけでもない。あくまで彼女は自分の所有物が他人の物に邪魔をされるのを厭うというだけである。これを獣と言わずに何と言おうか。


◆DE-1 神殺し

[情報:知識12]

神と崇め奉られる者は、成り立ちが獣である者もいる。触らぬ神に祟りなし、という言葉は正に獣に対するそれであろう。

また、神話内では神殺しの為に立ち上がった人間の為に、それらを成し遂げる方法が記載されている。それは以下の通りだ。


「神殺しの英雄よ、黄金の背に乗り愛を貫け」


◆E-2 «欲望の獣»について

[情報:UGN12]

本件には«欲望の獣»と呼ばれるジャームが深く関わっていると考えられる。彼らは1つの肉体に2つの精神を持ち、人の柔らかい精神の弱みにつけ入り憑りつくという。しかも、彼らは普段実体化のない靄の様な形態である。糧を失わない限り、彼らは靄のままで手出しは不可能であるのだ。そんな彼らを倒すには、宿主を戦闘不能状態にする必要がある。宿主を失うとこのジャームは新たな宿主を捜すために戦闘から離脱する。


◆E-3 惑星間誘導砲MK-Ⅻ

[情報:UGN12]

惑星間誘導砲MK-Ⅻイス=アンドロメダを発動する際は、発動者の一番高い能力値を判定に用いる。この判定にはアリエスの手助けが入り、例え発動者の能力値が低かったとしても、能力値が合計8以上になる。また、この判定で出たクリティカルは、ボス撃破の際に使用するため、[コンセントレイト]を用いて行うこと。


【トリガーシーン】

(以下、NPCとラスボスのモノローグである。筆者の誠に個人的な趣味をブチ込んだので、ここは適宜カットしていただいて構わない。また、読み上げる場合は、卓の雰囲気でどちらかを選択して読み上げるのも良いだろう。両方読んで反応を見るのも楽しいかもしれない。ちなみに、テストプレイではNPCのアリエスのモノローグであるシーン9を読み上げ、ラスボスのモノローグであるシーン10はシナリオクリア後に読んでね方式にした。)


シーン9:Aim for the highest.空へかけろ

何度やり直しても毎回妹は俺の手を滑り落ちて行く。少しずつ過程は変わっている。だが、結末は…ヘレが死ぬという結果だけは変わらないのだ。嘆き、恨み、復讐を誓った所でいつも敵わない。


「あと一手が足りない…..。」


そう、あと一手が足りないのだ。万全の対策を練り、前の周回で起きた問題を解決しても、新たに齟齬や誤差が出る。何度繰り返したかなぞ、当の昔に数えるのを止めた。あの獣に辿り着くまでの道のりが、余りにも遠かった。


だが、今回はその一手がある…!


彼らがいればあの獣に手が届く、今まで握りしめ血を流すだけであったこの両手が届くのだ….!


我が身を弾丸と成し、愛に焦がれた胸を貫く――――――。


The pain of parting is nothing to the joy of meeting again.

-別れの痛みは、再会の喜びに比べればなんてこともないんだ-


頼んだぞ、異邦人の友よ。あなた達ならば、俺の全てをかけても惜しくない。


「あの獣に引導を渡してくれ。」

シーンBGM:ADELE / 「SKYFALL」


シーン10:Everything was all mine.全て、全て!私のモノだったのに!!

私の人生はただ決められた道を歩むだけの、単調で楽しみの無いものだった。


「だから私、初めて恋をした時に世界の色が変わった気がして…」


全部私の物にするって決めたの。


それなのに、それなのに!本当に欲しい物は手に入らない!!

そんな事は絶対に認めない。全て、そう全て私の物だった!!!


何回でもやり直す。私は私の望む世界を掴むまで、何度でも、どんな手を使ってでも。例えこの身を獣にやつしたとしても、絶対に手に入れるわ。


あなたをもう一度取り戻す為なら、私、何だってするわ。」


Paths are made by walking.

-人が通ったところに、道は出来るのよ。-


私の歩みがこの世界の決まりになるの。とっても素敵でしょ?

シーンBGM:Porcelain Black / 「Pretty Little Psycho」


クライマックスフェイズ

シーン11:星の大海(イーノー戦)

情報収集を終えたPC達はイーノーが待つ果ての神殿へ向かう。内部へ入って行くと、コロッセオの様な空間があり、その奥の玉座へ座っている人物こそ、イーノーであろうことがわかるだろう。


イーノーが視界に入った途端、PC③の所持品のコスモホロスコープの星座が歪みだし、ブレスレットタイプの生体承認器機が光り出し、脈打つ。だが、まだ手順が必要なのか、マスケット銃が発動するまではいかない。


イーノー:「フン、私や周囲を嗅ぎまわっていたのはお前たちか。」


「何を考えているかは知らぬがな、身をわきまえよ、頭が高い。」


ここで強制お辞儀になるか否かの判定が入る。

イーノーの威圧に対し、PC達は衝動判定を行う。

衝動判定 意志:10

衝動判定に失敗した場合、バッドステータースの暴走を得る。その後全PCは浸食率を2D10上昇させる。


イーノー:「そろそろ一時的な眠りから解放してやろう。永遠の眠りに就くがよい。」


イーノーが玉座から立ち上がると、彼女の傍に黒い靄の様な物体が現れる。


黒い靄:「さぁさぁイーノー、あなたのモノを奪いに来た奴らよ。」

「さぁさぁイーノー、僕達と一緒に殺しちゃおうよ。」


クライマックスフェイズ戦闘を開始する。

勝利条件は、エネミーの全滅。エネミーとはイーノー、欲望の獣の計2体を指す。


なお、«欲望の獣»はイーノーを倒すまで実体化していないため、ダメージを与えられない。更に、«欲望の獣»は宿主であるイーノーを倒すと瞬間退場でこの場を去る。このことを戦闘開始前にPLへ伝えること。


イーノー:「いやだいやだいやだ、絶対に渡さない。」

「全部全部私のモノだぁぁぁあああ!誰にも渡さないわ!!!!」


欲望の獣:「狂ったヒト程美味いモノはない!ヒヒヒ、どんどん欲しがれ、貪欲に、全て喰らい尽くせ!」



イーノーのHPを一度1以下にしたタイミングでアリエスから会話が挟まれる。

これは、イーノーを真に倒す為に必要な方法であるので、必ずアナウンスすること。

また、PC③が所持している惑星間誘導砲MK-Ⅻイス=アンドロメダが強烈に光り出し、発動可能状態になったことも伝え、誰がロマン砲をブチかますのかを決めて欲しい。PC③以外の者に託す場合はここで譲り渡しを行う。


後方に控えていたアリエスが戦闘中のPC達へ駆け寄って来る。ここで彼が名指しにするPCは、惑星間誘導砲MK-Ⅻイス=アンドロメダを所持している者である。


アリエス:「今だPC!俺に乗って君の持ってる惑星間誘導砲MK-Ⅻイス=アンドロメダをブチかませ!!奴に風穴を開けてやれーッ!」


その言葉を発した後、アリエスは光に包まれ、黄金の羊へ変化する。

惑星間誘導砲MK-Ⅻイス=アンドロメダを発動する際は、PCの一番高い能力値を判定に用いる。この判定にはアリエスの手助けが入り、例えPCの能力値が低かったとしても、能力値が合計8以上になる。この判定には、[コンセントレイト]を使って行うこと。


また、イーノー打倒には以下の計算式を利用する。計算式の結果がマイナスであれば、獣に身をやつしたイーノー消滅させる事ができる。


【(A+B)-(C+D)】

イーノーによる[悪食の食卓]使用回数…A

«欲望の獣»によるイーノーへの[融合]使用回数…B

全PCのアリエスへのロイス数…C

惑星間誘導砲MK-Ⅻ発動の際の精神判定のクリティカル数…D


イーノー:「あァ、わタしの欲望あいが、キエる、まッテ、置いて、いカないデ…!」

欲望の獣:「あらあらここまでみたい。次はもっと面白い宿主を捜しましょうね。」

「そうだね、人の欲は消えないもんね。」


シーン12:Friendship is a single soul dwelling in two bodies.


イーノーを倒すと、人型に戻ったアリエスが輝きだし、きらきらと輪郭がぼやけ出す。アリエスは驚かず、どこか安心したような、穏やかな笑みを浮かべる。


アリエス:「あぁ、やっとだ…。ありがとうみなさん、俺はやっと妹のもとへ逝ける。」

「別れ際に俺の本当の名前を伝えたい。誰かに俺の名前を憶えておいて欲しいんだ。」

「本当の名は、プリクソス。アリエスの力を借りて流星になった1人の人間さ。」


PC達とプリクソスが別れを済ませると、彼は輝きに包まれ、宇宙そら高く飛び上がる。さながらそれは流星の様に、星の大海へ向かう。そして、彼が消えた辺り、ぽかりと空いていた星空へ牡羊座が浮かび上がる。いつの間にかヘルメスもプリクソスを見送りに来ていたらしい。眩しい太陽を見上げる様に目を細めながら、誇らしげにほほ笑む。


ヘルメス:「友情という1つの魂は誰かと誰かの間に宿るものなのさ。君たちにもそれが宿ってるだろう。」

「それらを浮かべた心の情景を銀河と呼ぶのだ。」

「プリクソスの宿願を叶えてくれてありがとう、人の子よ。彼はやっと3千年の孤独な奮闘から解放された。」


PC③が持たされたコスモホロスコープの歪みも綺麗に治っている。それを確認したヘルメスは満面の笑みを浮かべると、お前たちともお別れだ、と言い、胸の前で2度手を打った。すると、PC達はにわかに強烈な睡魔に襲われる。


ヘルメス:「この宇宙そらの歪みも正された。つまりだ、みな起床の時間であるぞ!」

「こちらで眠れば次に目覚めるのはお前たちの世界だ。」

「ふふ、見事な神殺しの英雄譚であった!」


エンディングフェイズ

シーン13:Star in Your Heart. PC①

目覚めるとそこは病院のベッドで、周りにはUGNの職員の人々が付いていた。

ヘルメスが言った通り、自分は元の世界に戻って来られたのだとホッとした。


職員:「良かったわぁ~!支部長にドでかい銃を託して正解だったわね。」

「あなたもエージェントに保護されてここへ運ばれて来たんだもの、運が良かった。」

「帰還おめでとうPC①。後で報告書を挙げてくれよ!」


職員らは口々にあなたの安全を祝い、祝福してくれるだろう。勿論、あなた達が成した英雄譚の事はみな知らない。それはこれからあなた達が報告書で伝える事である。


綺羅星幾星霜、星の大海を翔ける友の名を思い出しながら、今夜は自宅から星を眺めてみるのも良いかもしれない。


天上の星、輝けるアリエス。君を語るは悲劇の離別よりも華々しい英雄譚が相応しい。心に熱い銀河ほしを抱えて――――。

イメソン:COLDPLAY /「A Sky Full of Stars」


シーン14:Feeling Many Stars. PC②

はっと目を覚ます。見知ったサンルーム、お気に入りの柔軟剤の香り、読みかけの本。あなたが昼寝した時のままであった。先ほどの事は夢だったのかと思う程何一つ変わっていないのだ。手元の本以外は。

手元の本は流行りの小説だった筈なのだが、ギリシャ神話の本に変わっているのである。


開かれているのは牡羊座のページ――――。


勇敢で情熱的だが寂しがり屋、その項目を見て星の大海へ消えた友、名前を覚えておいて欲しいと語ったプリクソスそのものだと感じるかもしれない。この世界はまだ始まったばかり、例え昨日があなたの日でなくても、明日はあなたの日になる可能性を秘めている。


彼の輝く星空の下、流れる悠久に思いを馳せる。天上の輝きほしを数えながら。

イメソン:ONEREPUBLIC /「Counting Stars」


シーン15:Stars,too,were time travelers.

 PC③

あなたはまだウトウトと微睡の中にいる。起きなくてはいけないと思っているが、精神力を使い過ぎたのかもしれない。そういえばコブラもサイコガン撃ちまくってダウンしてたっけ、なんて事をぼんやりと考えていた。


ヘルメス:「早く起きんか人の子よ~、私は暇になってしまったぞ~。」


突然ヘルメスの声がして驚いて目を覚ます。そこは正しくUGNの医療班に寝かされたベッドに違いなかった。周囲を囲む職員は飛び起きたあなたを見て、多少驚いた表情をしたが、直ぐに帰還を喜び称える笑顔に変わる。


ヘルメス:「慕われているではないかPC③よ!うむうむ、そういう人の子は祝福しがいがある。」


職員の囲みの向こうに見知った美丈夫がいるではないか。それなのに職員達はそれに気づいていない様な素振りである。口をパクパクとするあなたを見て、ヘルメスは大層楽しそうに笑う。


ヘルメス:「なに、偶には私も旅をしたくなってだな!暫し付き合えよPC③」

「他の者には見えないから安心せい。見えるのは共に旅した君たち3人だけだ。」


好奇心バリバリの困った神と、奇妙な旅をするのも悪く無いかもしれない。少なくとも、退屈はしないだろうし、今まで以上にせわしない日々が待っているだろう。


ヘルメス:「道を誤った時は導いてやろう。旅人の神だ、お手の物だぞ。」


かの神は、自信満々でそう告げる。悪戯っぽくウインクなどをしながら。

思い出話に花を咲かせたなら、どんな遠い所だって行ける。きっと彼ならば、旅人の神としてあなたを攫い、どこへでも連れて行ってくれるだろう。


そう、さらなる高みへ、星の大海へ―――。

イメソン:Moby /「Lift Me Up」


――――――――――――――――――――――――――――


シーン16:Remembrance of Things Past.欲望は無くならない

バックトラック失敗BAD END PC用


意識は宙を彷徨い、身体もふわふわと心許ない。そんな時、ふと懐かしい情景が蘇る。そういえばあんな物が欲しかったっけ、とか、またあの場所に行きたかったな、という様な類である。


???:「その思い、僕らが一緒に叶えてあげよっか?」

「その思い、私たちが導いてあげましょうか?」


耳ざわりの良い言葉に思わず頷いてしまうだろう。その反応を見て黒い靄は下卑た笑いを浮かべてあなたへ憑りつく。心の隙間へ入り込む形容しがたいそれに最初は嫌悪感と吐き気を覚えるが、すぐにそんな感覚はなくなってしまう。遥か昔からその声と共にいた様な気持ちすら覚える。


あぁ、なんてぬるく甘美で抗いがたい衝動――――――。


今からキミへ逢いに行くよ、全てをこの手へ納める旅路へ。

その果てに私は神すらも超える力を得るのだ。天へ轟く欲望あいの歌を奏でよう。

イメソン:Dagames /「Left Behind」


このシーンはキャラロス確定BAD ENDです。誠に残念なお知らせですが、ここでロストしたキャラクターは後の続編シナリオへ、エモ要素で登場して貰います。今回は残念な結果になってしまいましたが、また新しくキャラシを作ってプレイしてみてくださいね…!(震え声)


FIN…


経験点

・«愛に溺れた獣»と«欲望の獣»を倒した。+5

・プリクソスの宿願『イーノーを消滅させる』を叶えた。+5

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