第278話 熱い戦い

葉幸・心夏一行が龍安寺に向かって出発した頃……


B組のとある一班がまだ出発できずにいた。


「ちょっと!あなた離れなさいよ!」


「そっちが離れてくれたらいいよ?」


出発できない理由は「どこいこっか?」「う〜ん、まよっちゃうなぁ〜」なんて可愛いものじゃない。


女同士の熱い戦いが繰り広げられていた。



──俺、西新新汰を挟んで……


「西新くんはどうして欲しい!?」


「もちろん、私を選ぶわよね?」


女子2人の物凄い圧のある視線と、この茶番を見せられている他の班員の冷たい目。地獄かな?


「えっと、2人とも離れて欲しいかな……?」


若干びびりながらもそう答えると2人は仕方なしといった様子で腕から離れてくれた。


そして他の班員も「よく言ったな、西新」的な視線を送ってくる。


そうして、一通りの茶番が済んだところで班長の三川さんの提案で金閣寺に行くことが決定する。


「金閣寺だからって、西新くんにべたべたしたら許さないからね!?」


「そっちこそ!金閣寺だからって、西新くんにあまりくっつかないでもらいたいわ!」


そして、熱いバトルの第2ラウンドがスタート。


僕を含めB組の人は見慣れているので無視してさっさと歩き出す。


ていうか「金閣寺だから」って、絶対金閣寺関係ないでしょ……

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