第127話 周りと同じ

「ロータスさん凄いですね!」


テストが帰ってきてすぐに、私とロータスさんでテストを見せあった結果ロータスさんが98点、私が95点で残念ながら負けてしまいました。


3人の中で1番点数が低かった人が他の2人の言うことを1つ聞くということだったのですが葉幸くんはどうだったでしょうか……?


「葉幸!どうだった?」


ロータスさんが真っ先に葉幸くんのところに駆け寄りますが何か様子がおかしいです。


「あの、葉幸くん…?どうしたんですか?」


葉幸くんは、俯いたまま何かを呟いています。


よく聞いてみると……


「やらかしたやらかしたやらかしたやらかした……」


あ、だいたい察しがついてしまいました。葉幸くんが周りの人達と同じような状態になっています。


葉幸くんがおずおずと差し出したテストをロータスさんが受け取って見ると顔色を変えて黙りこんでしまいます。


そのテスト用紙を、私も見てみると……


┌────────────────────┐

│英語 _年_組 名前____← 名無し! 0点

│ 1.



(あー……。なんだか、見てはいけないものを見てしまった気がします……)


でも、よくよく見てみると回答はほとんど正解、というか見た限りでは全問正解のように見えます。


葉幸くんは今も落ち込んだままで、ロータスさんに頭を撫でられて慰められています。


──なんか、勝負どころじゃ無くなっちゃいましたね……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る