3話 昨日のは誰!?

 雀の鳴き声と気持ちのいい朝日。後は包丁の音でも聞こえたら最高なんだけどな。まぁ、流石に何でも綾香にやらせたら悪いし、ここはとして、朝ごはんでも作りますか!なんたってだからな!


 とはいえ先日まで学生だった俺がたいした料理を作れる訳でもなく、トーストと簡単なサラダくらいなものだ。てか、いつまで寝てるの?


「お~い、綾香、朝だよ~」

 寝顔拝見。うん、天使だわ……

「あの~綾香?」

 可愛いんだけど、起きないぞ……

 その後数回同じ事を繰り返し、やっとのことで、二人で朝ごはんを食べることになった。

「ふゎ~歩くん、ありがとねぇ~」

 寝そうになってる綾香もカワイイ(確信)

「歩くんは~今日からお仕事だよね~?」

「うん、綾香の為に頑張るよ!」

「私もニートがんばる!」

 ……まぁ、小さくガッツポーズしてるの可愛いから良いか!


「行ってきます!」

「行ってらっしゃい」

 その後めちゃくちゃ仕事した。


「疲れたけど、先輩もいい人だったし、帰ったら綾香もいるし、最高の人生だな!」

「ただいま!」

 ん、綾香、どこ?

「あ、おかえり~お仕事お疲れ様!どうだった?」

「え、あ、ああ先輩も優しくて良いところだよ」

 俺が戸惑っているのは、ジャージ姿で布団にくるまり、テレビを見ている女の子が部屋にいたから。綾香だけど。

「歩くんごめんね、晩ごはん作ろうとは思ったんだけど……

 私、豚のしょうが焼きしか作れないんだ……」

「それに家事も苦手で、だから昨日お風呂洗ってもらったんだ……」

 これまたヘビー級のニートだな。

「ごめんね……?」

「全然良いよ!僕がやるから!」

「ありがとう!その代わり、ん~そうだな、毎週金曜日は私が作るから🎵」

 何軍なんだろうか、豚のしょうが焼きって。いや、手料理が約束されたのだ!それに最初から宣言されてたし!うん、仕方ないよな!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る