27.ペリカンロードⅡ F…the alternative/五十嵐浩一

 80年代というか中学高校時代リアルタイムくらいだったのかな。

 超人ロック目当てで読んでた少年KINGでやってたのが「ペリカンロード」。

 絵が綺麗で。それでいて主人公がガリ勉脱却とか真面目とか悩みとかバイクとか、何だかんだで青春謳歌してたんだよなー。

 これとたがみよしひさのマンガで「あ~バイクいいな~」と思ったりもしたけど、すぐそこでコストを考えてしまうあたりwwwww

 ペリカン主人公は可愛かった。↑そしてマジメ人間が吹っ切るあたりに羨ましさを感じたものだー。


 その中で主人公達のバイク仲間が「カルーチャ」っー四人でやってる奴。……の一方で工業高校のメンツ中心の「FHHフェルトヘルンハレ」というグループがありまして。

 この「コマンダー」が格好いい硬派だったんですが。

 そろそろ族でなくて、あくまでバイクで走ること、耐久(エンデユーロ、というルビがまた!)レースとかに転向しようという夢があった頃に抗争が…… そこんとこでナンバー2が大怪我。責任感じた彼は一人突っ込んでいって……

 まあそのあとの話が今一つ記憶から薄れてしまったんですが。主人公中心の将来を見据えたものになってきたし。ただしこの主人公はバイクに関わったことで進路を工学系にしたというのがあって前向きだなあと思ったのですが。

 そのうち読み返そうと思います。好きだし。


 ……それが80年代真ん中とすると、20年後くらいだったのかな。「Ⅱ」で副題が「F…the alternative 」。フェルトヘルンハレのその後の話だったんだよな。重い。

 そもそも前作最初に読んだ当時、FHHの意味知らなかったんだよな。ナチスに関係あるというのだけうっすらわかっていても、今のようにすぐにぐぐれる時代じゃない。ここに出てくる「ヴィルデ・ザウ」も今はすぐわかる。んでまあ、この話の中では「」

 五十嵐浩一の初期のマンガは明らかにそういう趣味入ってて、KINGになるちょっと前、女スーパーマンものとか、女子プロレスものとかによく見られるんだよな。あと「ピーター葉夢」でもやっぱりフンイキが。ポップだったなー。

だがしかし、「Ⅱ」は重かった。

 平成15年前後くらいっていうと、やっぱり全体的に社会重かったかな……

 80年代に高校生だった連中もすっきかりおっさんになってしまって。高校生達もヤング誌のせいなのか何なのか、背景が重い……(画面は薄くなったけど) 世情が重い…… まあ確かに安易なクスリとか出回った時代だったなー。

 (たぶん)前作でサブキャラ軽いおバカなしげるが白バイになってるわ、マキさんは何処か遠いとこから戻ってくるわ、他のメンツは皆それぞれのカタギの仕事についてるわ。ともかく過去は重いものだったことになってるわな。

 ただ何というか、大人が若いとき蒔いた種が、一度枯らしたはずが、妙なとこから枝が出ていてねじれてしまっていたという奴。それにカタをつけなくちゃならなかったのが結局大人で、というのが、ちとなあ。

 んで、子供は子供で引っ張ってくれる大人が欲しい、という。どうもそのあたりがどっちももがいてる感強いわな。


 80年代ペリカンに出てくる大人は目標にしたい生き生きしたキャラが多かった。子供は勝手に誰かを目標にしてた。

 んで、平成真ん中のそれに出てくる人々は過去をひきずりまくってた。子供は何で引っ張ってくれないんだという。

 良くも悪くもやっぱり重いなあ。

 良くも悪くもな。

 言及されてないけど、マキさんドイツから戻ってきたというあたり、坂上さんの気持ち汲んでレースに出るようになってればいいんだけどな。

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