第317話 強者ミノ君

俺達がミノタウロスのしゃぶしゃぶとすき焼きで盛り上がった翌朝、今日も朝からダンジョンである。


「オリャーー!」


「グモォーーー」


「フンッ」


「ギャァー」


「ズッパーン」


洞窟の彼方此方からコルトガさん達の声に混じり、ミノタウロスの断末魔の叫び声が木霊している。


痩せて食欲が落ち着いていたコナンさんも張り切ってエアーカッター等の魔法で首を一撃で倒しつつ無双している。

どうやら、久々のミノタウロスは相当に美味しかったらしい。

今回はピョン吉達も運動不足解消がてらに鋭意的にさんかしている。(多分肉に釣られた?)

今回はAシリーズも全員参加してて凄い大所帯となったのだが……。


で、俺はというとそんな巾着袋を持たないピョン吉達が倒したミノタウロスの回収係だ。

みんな方々で倒すものだから、ダンジョン内を駆け回って回収しているのである。


<主ーー! ここに3匹倒したのあるよー!>


<主ーー! こっちは2匹!>


<主ー! ここに4匹だよー!>


<主ー! ここ早く取りに来るニャー!>


<僕の所、まだー?>


と遣りたい放題である。

その為、身体強化と身体加速まで使って駆け回っているという……。

あれ~? おかしいなぁ?、何故か従魔に使われている感が半端無いんだけど?


午前中、第61~64階層まで走り廻らされて、グッタリした俺は、ピョン吉達の首に巾着袋を付けてやり、各自で回収する様にさせた。


やってられんからな…… 何かパシらされているようで、少しブルーになっていたが、やっとこれで俺も戦える様になった。





続く翌日アッと言う間に69階層までを制覇してしまい、夕方前には70階層のボス部屋へと突入したのでった。


60階層のボスは当然の様にミノタウロスだけど、大剣を手にした上位種のゴールデン・キング・ミノタウロスだった。


「フフフ、愉しましてくれるのじゃろうな?」

と不敵に笑うコルトガさんとピョン吉達が競う様にゴールデン・キング・ミノタウロスに向かってダッシュして行った。


「あぁ~あ…… これは出番なさそうだな。」


ヤレヤレ……と思っていたら、コルトガさんもピョン吉達も全員盛大にぶっ飛んでいた。


グモォーモモモモ


と悪い顔をしてゴールデン・キング・ミノタウロスが大剣を肩に担いで笑っている。



あれれ? こいつってば、そこそこ強い?


俺は先程詳細解析Ver.2.01で表示されていた文章を読もうとしていた時にコルトガさんとピョン吉が突っ込んで行った為、種族名しか読み取って居なかった。

慌てて再度、詳細解析Ver.2.01の画面を引っ張り出して読み直してみると、


『詳細解析Ver.2.01』

***********************************************************************

名前:

年齢:1008歳

誕生日:2月12日

種族:ゴールデン・キング・ミノタウロス

性別:雄

好意度:50%

忠誠度:0%

敵意:20%

婚歴:なし

身長:736cm

体重:832kg


称号:女神の試練ダンジョン70階層ガーディアン

   脳キング(悪い意味で)


レベル:189


【基本】

HP:10352

MP:3547

筋力:10867

頭脳:5813

器用:4347

敏捷:8262

幸運:1039

129

【武術】

体術:Lv10

剣術:Lv11

槍術:Lv10

斧術:Lv10


【魔法】

火:Lv5

無:Lv13


【スキル】

並列思考

状態異常無効

耐物理攻撃(Ex)

耐火魔法攻撃(中)

自動回復

限界突破

言語理解

気配察知

魔力感知

魔力操作

気配遮断

身体強化

身体加速

王者の威厳

人化


【加護】

ダンジョン神アモスの加護


【状態】

精神:興奮

肉体:正常

健康:正常


【経歴】

このダンジョンの61階層の普通のミノタウロスとして生まれたが、その後『筋肉は裏切らない』を合い言葉に切磋琢磨し、のし上がって行く。

300年前にやっと現在の70階層ガーディアンとなった、ダンジョン脳筋サクセスストーリー!

だがここ300年程戦う相手がおらず、停滞気味で落ち込んで居た。

やっと、戦う相手がやって来たので、大興奮状態。


【展望】

外皮は強靱でミスリルを超える強度を持つ為、通常の武器による攻撃では殆どダメージを負わない。

また、魔法攻撃に対する耐性もある為、上級以上の魔法攻撃で無いとダメージが通らない。

特に火魔法に対する耐性が強く、上級の火魔法でもダメージは負わない。

但し寒さに弱いのが弱点。


角は金属に混ぜて鍛造する事で2倍の強度と粘りを発揮する。

外皮は加工が難しいが、その特性から軽くて強靱な皮鎧が作れる。

肉は非常に美味しい赤身となる。 通常種のミノタウロスとは比較にならない程の美味さである。


だけど、一度信頼を勝ち取ると、強靱なガーディアンとして鉄壁の盾にもなるわよ!


食べて良し、テイムして良しの美味しい奴、さあ、どうするぅ?


私は、テイムをお薦めするけど、ケンジ君次第かなぁ?


ああ、だけど、『俺様を倒す相手にしかテイムさせねぇ!』って言ってたから、頑張ってテイムしてみてね!


***********************************************************************


マジか! 滅茶滅茶強いじゃないか!

とてもじゃないけど、コルトガさんの今のステータス値では難しいだろう。


あれ? 俺のステータスって今ははどうだっけ? と久々に自分のステータスを確認してみた。


『ステータス表示』

***********************************************************************

名前:ケンジ・スギタ(杉田健二)

年齢:24歳(59歳)

種族:ハイパーヒューマン

性別:雄

称号:女神の愛し子

   元始の泉の主

   元始の森の主

   解放到達者

   辺境の王

   魔法の探求者

   重力を制する者

   国を興す者

   空を征する者

   エーリュシオンの王

   忠誠を集める者

   崇拝を集める者

   精霊の友

   慈愛の王


職業:冒険者・探求者・開拓者・魔道士・錬金士・賢者・救済者・王

レベル:179(解放済)


【基本】

HP:6987

MP:8996

筋力:2062

頭脳:1533

器用:1607

敏捷:1601

幸運:859


【武術】

短剣術:Lv9

剣術:Lv13

棒術:Lv2

体術:Lv3

斧術:Lv3

投擲:Lv10


【魔法】

火:Lv13(解放済)

水:Lv13(解放済)

土:Lv17(解放済)

風:Lv11(解放済)

光:Lv12(解放済)

闇:Lv11(解放済)

聖:Lv14(解放済)

空:Lv12(解放済)

無:Lv15(解放済)


【魔法Ex】

氷:Lv13

雷:Lv11

重:Lv9

飛:Lv10

転:Lv9

隷:Lv7


【スキル】

状態異常無効(大)

精神異常無効(大)

MP自動回復増(大)

HP自動回復増(大)

早熟

言語理解

習得補助

調理 Lv10

万物創造

気配察知

魔力感知

魔力操作

気配遮断

身体強化

身体加速

土木作業

農耕作業

解体

素材採取

テイミング

調教

従魔強化

王者の威厳

従魔意思疎通(大)

錬金

鍛冶

射撃必中

大地の息吹

詳細解析 Ver.2.01

虫の知らせ(大)

思考加速

並列思考


【加護】

女神エスターシャの寵愛

異世界の創造神の加護(大)

土精霊王の加護


【従魔】

ピョン吉(キング・キラー・ホーンラビット)

ジジ(クィーン・シャドー・キャット)

A0(キラー・ホーンラビット)

A1(キラー・ホーンラビット)

A2(キラー・ホーンラビット)

A3(キラー・ホーンラビット)

A4(キラー・ホーンラビット)

A5(キラー・ホーンラビット)

A6(キラー・ホーンラビット)

A7(キラー・ホーンラビット)

A8(キラー・ホーンラビット)

A9(キラー・ホーンラビット)

コロ(シルバー・フェンリル)

マダラ(ハイ・ホース)

マロン(ハイ・ホース)

B0(ハイ・ホース)

B1(ハイ・ホース)

B2(ハイ・ホース)

B3(ハイ・ホース)

B4(ハイ・ホース)

B5(ハイ・ホース)

B6(ハイ・ホース)

B7(ハイ・ホース)

B8(ハイ・ホース)

B9(ハイ・ホース)

C0(ハイ・ホース)

C1(ハイ・ホース)

C2(ハイ・ホース)

C3(ハイ・ホース)

C4(ハイ・ホース)

C5(ハイ・ホース)

C6(ハイ・ホース)

C7(ハイ・ホース)

C8(ハイ・ホース)

C9(ハイ・ホース)

B10(ハイ・ホース)

B11(ハイ・ホース)

B12(ハイ・ホース)

B13(ハイ・ホース)

B14(ハイ・ホース)

B15(ハイ・ホース)

B17(ハイ・ホース)

B18(ハイ・ホース)

B19(ハイ・ホース)

B20(ハイ・ホース)

B21(ハイ・ホース)

B22(ハイ・ホース)

B23(ハイ・ホース)

B24(ハイ・ホース)

B25(ハイ・ホース)

B26(ハイ・ホース)

B27(ハイ・ホース)

B28(ハイ・ホース)

B29(ハイ・ホース)

B30(ハイ・ホース)

B31(ハイ・ホース)

B32(ハイ・ホース)

B33(ハイ・ホース)

B34(ハイ・ホース)

B35(ハイ・ホース)

B36(ハイ・ホース)

黒助(キング・シャドー・キャット)

モモ(ハンター・モモンガ)

タンクロウ(タンク・カウ)

アラゴン(アンゴラ・シープ)

金太郎(ゴールデン・シープ)

コケノスケ(ウーコッコー)

D0(ウーコッコー)

D1(ウーコッコー)

D2(ウーコッコー)

D3(ウーコッコー)

D4(ウーコッコー)

D5(ウーコッコー)

D6(ウーコッコー)

D7(ウーコッコー)

D8(ウーコッコー)

D9(ウーコッコー)

D10(ウーコッコー)

D11(ウーコッコー)

D12(ウーコッコー)

D13(ウーコッコー)

D14(ウーコッコー)

D15(ウーコッコー)

D16(ウーコッコー)

D17(ウーコッコー)

D18(ウーコッコー)

D19(ウーコッコー)

D20(ウーコッコー)

エバ(ワイズ・キング・スライム)

クー(ナイト・ハンター・アウル )



【契約精霊】

サリス(ノーム)


***********************************************************************


うーん、やっぱりダメっぽ。 勝つのは難しいんじゃないか?


もう筋力1つ取っても完璧に桁違いで負けてるし。

やっぱり種族的な違いでベースとなる数値が違うからなぁ。


等と0.02秒程悠長に考え込んでいたのだが、吹っ飛んだコルトガさんとピョン吉達がヤバそうなので、慌ててヒールを掛けてやり、こっちに呼び戻した。

どうやら、ミノ君は強者故の余裕で俺達の準備が整うまで待ってくれるらしい。

肩に大剣を担ぎ、嬉し気にニコニコしながら、待ってくれている。



「あいつは、今までのミノタウロスとは桁違いに強い。 ハッキリ言って今の俺達に勝ち目は無いぐらいに差がある。

ちょっとヤバいな。」


俺が横目でチラチラとミノ君の様子を確認しながら、口早に全員に伝えると、コルトガさんが悔しそうな顔をしていた。


さあ、どうするかな? 絡め手と不意を突けば何とかはなりそうだけどなぁ……

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