いざ、ゲームへ。

 シュウさんにメールを送る。


『ゲーム内での協力者が一人、見つかりました。また、カズアキさんにお願いして臨時ギルドマスター制度を利用して、ゲーム内に取り残されたギルドメンバーに協力をあおごうと思っています。あと、現実世界の助っ人としてフジヤさんが加わってくれることになりました。明日朝にでもゲームにログインしたいと思うのですが、シュウカさんに都合をお聞きしてもよろしいでしょうか』


 そう送る。すると、すぐに電話がかかってくる。


『……そちらは、夜遅くまで起きていたな』


 挨拶もほどほどに、シュウさんが聞いてくる。


「はい。私は夜型なので」

『実はねぇ、あたしもなんだよねー』


 シュウカさんの声が返ってくる。どうやら電話の向こうはスピーカーで通話しているみたい。


『だからー、もしよかったらあたしたちだけでも早めにログインしておかないかなーって思って。もう一人の協力者の人には、準備でき次第、都合のいいときにログインしてくれたらいいって送っといてさ』

「確かに、その方が効率はよさそうですね」


 待ち合わせしてみんなでログインするのもいいと思うけど、全員の都合を合わせていたらきっと、ログインできる時間が遅くなる。でもログインできる人からログインして、できることをやっておけば、残りの人がログインしてきてからも、動きやすいはず。


『2人で対応できなさそうなものであれば、助っ人が到着してからにすればいいし』

「そうですね。戦闘面では私、役に立ちませんし……」


 やっぱり戦闘をシュウカさんだけに任せるのはちょっと不安。でもアイダさんもおそらく、戦闘向きではない。そうなってくると、ヒナコさんとあとは、ギルドメンバーの誰かにそういう人がいればいいなって思うけど……。そううまく行くかな。


『こちらとの連絡は、前に作ったパソコンと電話代わりになるアイテムでどうにかなりそうなんだな』

「はい、問題ないかと思います」


 あのアイテムがあれば、現実世界とゲーム内の世界の情報共有は問題ない。SNSの情報は、パソコンもどきさえあれば見られるし、集めた情報は円滑にシュウさんにも伝えられるはず。あとは。


「あとはログインするだけですね!」

『それじゃ、あたしは先にログインしておくね! サランちゃんも準備ができたら来てくれたらいいよ。何かと準備することがあるだろうし。家族に伝えたりとか』


 ああ、それがあった……。私はげっそりする。そうだよ、私一人暮らしじゃなくて実家暮らしなんだよね。ただ、今回はそれがむしろいいのかも。

 だって、私の身に何かあったとしても、一応母親が気にしてくれるからね。


 

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