退職の準備その1?
とりあえず、部屋のデスク周りを片づけて自分の座る場所とモノを置く場所を確保した。それから私はパソコンを起動すると、検索エンジンで調べものを始める。検索ワードを並べていく。
『退職 手続き』
『退職 どのくらい前に言う?』
など、すべて退職に関すること。休みの日でもない限り、こんなことを調べる気にもなれないかもしれないからね。
シュウさんが勤めている会社で雇ってもらえるかどうかわからない。でも、もうあの会社を辞めることは決めた。もし次の仕事がなかなか決まらなくても困らないように、次にどんなことをしたいか、ゆっくり時間がある今日のうちにじっくり考えてみよう。
今の会社に勤め始めてから、本当に自分の時間がなくなった。具体的に言うと、自分の趣味に充てる時間。大学に行ってる時はしょっちゅう小説書いてたし、創作イベントにも出たし、アニメにミュージカルに自分の創作の種になりそうなものは何でも吸収しようとしていた。
でも今は、そんな時間があったら寝たいもんね。全然趣味に充てる時間がない。まずは、それを改善できる仕事に就きたいかな。3年間頑張って働いたし、ちょっと休息も欲しい。
私は、検索で表示された検索結果を前に、考え込む。すごいな、今は退職代行サービスなるものまで、存在してる。確かに私も、あの上司に退職したいって話をするところを想像するだけで嫌。お金払って代行してもらいたい。でも、そうなると少なくともその後仕事行きたくなくなるし。
とりあえず、自分が今抱えてる案件を誰に引き継ぐかも決めておかないと。絶対つっこんでくるでしょ、金本部長。こういうのは先手を打っておかないと。立つ鳥跡を濁さずだよね。
ほうほう。一応、2か月前に退職の意思を伝えればいいんだ。もちろん早いうちに伝えた方がいいってことにはなってるけど、そんなに早く伝えて半年とか1年働かされたら、すごく居心地悪いよね。
そして具体的な退職の日程を直属の上司と相談したあと、退職届を提出と。それじゃあまず、上司と相談しろってこと?
あー、嫌味たくさん言われるんじゃないかな。それを考えると気持ちがなえる。でも、ずっとあの職場で居続けるのは、もっと嫌。このチャンスを逃したら、寿退社か、寿退社と呼ばれるタイミングがなければ仕事のできないサイテーなお局として嫌味を言われながら、働き続けることになりそうな予感がする。
私は、退職の手続きのサイトをどんどん見ていきながら、大きくため息をついた。
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