第6話 使用人たちのステータス
樹はステータスを確認させてもらおうと鑑定スキルを発動させていた。
まずはセザールのステータスを確認する。
《ステータス》
名前 :セザール
レベル:83
年齢 :62
種族 :人間属
スキル:礼儀作法・格闘術・槍術・身体強化
魔法 :火・風・光
称号 :完璧執事・元王家専属執事
「え、セザール、めっちゃ強いじゃん」
元王家専属執事って事は陛下の執事だったって事だよな。
凄い人を雇う事になってしまった。
「恐縮でございます」
次にアリアのステータスを確認する。
《ステータス》
名前 :アリア
レベル:156
年齢 :24
種族 :人間
スキル:射撃術・護身術・暗殺術・気配探知・料理・礼儀作法
魔法 :火・水・風・光
称号 :戦闘メイド・暗殺者・狙撃手・元Sランク冒険者
「な、なんじゃこりゃぁぁぁ!!!」
樹はアリアのステータスを見て、思わず叫んでしまった。
「どうかなさいましたか? 私のステータスになにか?」
アリアは自分のステータスがあたかも普通ですよね?というテンションで聞いてきた。
「強すぎじゃね? え、元Sランク冒険者って、えぇ!?」
「落ち着いて下さい、旦那様」
「あ、あぁ、すまない。ちょっと陛下の所に行ってくる!」
「「いってらっしゃいませ」」
樹は屋敷を飛び出し、王宮へと向かった。
陛下はすぐに会ってくれるということだったので、いつも通り、応接間で待つ。
しばらくすると、陛下が入って来た。
「おお、樹よ。屋敷は気に入ってくれたかな?」
「屋敷には問題無いですよ。少しデカすぎますが。それより、使用人ですよ!」
「おや、お前さんの希望通り、戦闘スキルに長けてる者を派遣したつもりだが?」
「いや、確かに言いましたけど、何て人をよこしてくれたんですか! 特にあのメイドさん」
「ああ、アリアの事か! なかなか出来るやつだぞ」
そう言って陛下はニヤリと笑った。
これは何か企んでいる時の顔だ。
陛下とは短い付き合いだが、何となく分かるようになってきた。
「じゃあ、あのアリアさんは僕に任せるという事でよろしいですね?」
「あぁ、構わないぞ。樹の使用人だからな」
「分かりました。ありがとうございます」
そこから、少し世間話をしてから王宮を出て屋敷に戻った。
「ただいま」
「「おかえりなさいませ」」
執事のセザールとメイド長のアリアが迎えてくれた。
「えっと、俺の部屋はどこになるのかな?」
そういえば聞いていなかった。
アリアのステータスに驚き過ぎて忘れていた。
「二階の一番奥の部屋でございます。ご案内致します」
セザールの案内で樹は部屋に案内された。
「広っ!」
「この隣はアリアの部屋となっておりますので、何かありましたらお呼び頂いて構いません」
「分かったありがとう」
「ご夕食は何か食べたいものはございますか?」
「んー、任せるよ」
この世界の食べ物をまだあまり知らない。
向こうの世界とほとんど変わらないのだが、材料が微妙に違うのだ。
「かしこまりました」
「あ、あと、一時間後に部屋にきて欲しいとアリアに伝えといてくれると助かる」
「承知致しました。そのように」
セザールは綺麗な所作で樹の部屋を後にした。
「何か、凄く疲れた」
樹はベッドに倒れ込んだ。
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