フォルトゥナ・フォーチュン

kawa.kei

第1話 一人目①

 ――世界。


 宇宙とは異なる枠組み、異なる摂理、異なる生態系を形成した。

 世界そのものが混在する宇宙。

 そんな数多の世界を見守り、選ばれた人々を導くのがこの私――星と運命の女神ズヴィオーズ。


 長い髪は金糸のように滑らかで、その美貌は人間が直視すれば目が潰れかねない程に輝いている。

 今まで導いて来た者達は揃いも揃って何て美しいのだろうと私の姿を見て感涙に噎び泣いたか。

 美しすぎるのも罪かもしれないけど、ほら私って女神なので生まれつきなのですよ。 しょうがないね。


 私の役目は星の導きに従い、選ばれた者に運命を授ける事。

 有り体に言えば、私と波長が合った矮小な生き物に運命と言う名のチャンスを恵んであげる事。

 当然ながら誰でもいいと言う訳ではない。 この私、ズヴィオーズと幸運にも縁があった存在の下に顕現し、問う事。


 代償を支払って我が運命の車輪を回すか?と。


 ――役目はあるが当然ながら分刻みの過密スケジュールと言う事はない。


 寧ろ、普段は星々が瞬く宇宙空間の様な場所で一人佇むだけなので、暇――ではなく瞑想に当てている。 そう、瞑想だ。 アホな――じゃなくて迷える衆生をどう救えるかを考える。 それが私の役目。

 呼び出されないと言う事は波長の合う存在がいないか、星の位置が悪いかのどちらかだろう。


 世界と言う名の広大な宇宙は互いに干渉し、概念的な自転と公転を以って他の世界と摩擦を起こし干渉し合う。

 それは知識だったり、何らかのエネルギーだったり、果ては魂と言う生物の根幹を司る物だったりする。


 ただ、魂ともなると移動中に不具合が起きて、半端な記憶だけで移動先に転生するといった事も多い。

 大半は移動しきった後、全ての記憶や知識を取りこぼしてゼロからスタートだ。

 

 ……まぁ、稀に記憶や知識を保有したまま転生できる例もあるにはある。

 

 何らかの要因で、劣化が終わる前に移動が完了すると転生の際に持って来た者が余剰分としてその存在に上乗せされるのだ。 これは何者かの干渉による召喚も含まれる。

 そうなると記憶の保持は勿論、行先が生体、非生体エネルギーを何らかの形で利用でき易い世界だと、そう言った才能に恵まれやすくなる。 分かり易く言うとチートや転生特典って奴ね。


 ――ただ、頻繁に転生者が現れるような世界は大抵――おっと、仕事の時間のようだ。


 呼ばれたので意識を集中して、波長の合った存在の無意識下――要は夢に入り込む。

 相手がこちらを呼び込みやすいように誘導して移動。

 さぁ、感謝なさい。 女神の導きの時間よ。





 目を開けるとそこは何もない真っ白な空間。

 そこにいるのは冴えない見た目のガキ――じゃなくて、えーっと記憶を参照。

 はいはい、山田 太郎君。 高校生ね。


 それにしても冴えない見た目してるなぁ。 部屋の隅っこに居たら、居なくなっても気付かれなさそうなぐらいの存在感のなさだ。

 山田 太郎は状況が呑み込めないのかキョロキョロと辺りを見回している。

 

 軽く咳払いをして準備をすると自らの姿を可視化。

 山田 太郎の目の前に姿を現す。


 「恐れる事はありません。 山田 太郎よ。 私は星と運命の女神ズヴィオーズ。 貴方に選択の機会を与えに来ました」


 山田 太郎は私の美しさに驚き、目を奪われている。

 この瞬間はたまらないわ。 ほらよく見なさいクソガキ、一生に一度見れるか見れないか分からないレベルの超絶美人な女神様よ?


 「こ、ここは何なんですか?」

 「ここは貴方の無意識の世界。 簡単に言えば夢の世界です」

 「は、はぁ」


 山田 太郎は理解しているのかいないのか曖昧に頷く。

 そこは噎び泣いて喜ぶ所だろうがと言いかけて、思い直す。

 私は女神。 寛大な心、寛大な心。 さて、仕事にかかるとしましょうか。


 「山田 太郎よ。 貴方は選ばれし存在、我が力による祝福を得る好機に恵まれたのですから」

 

 山田 太郎は何かを察したのか目を輝かせ始めた。

 あ、この反応知ってる。 次に言う事も大抵同じだ。 多分、異世――


 「まさか、異世界に転生できるんですか!」

 「それは貴方次第です」


 言うと思ったわ。 転生自体は不可能じゃないけど、この手の馬鹿は特典寄越してイージーモードで来世を過ごさせろと舐めた事を言い出すのだ。

 

 ……甘えるなと言いたい所だけど。 いいわ、許しましょう。


 私は寛大な女神。

 どんなに馬鹿でも、どんなにクソ舐めた願いを口にしたとしても可能性を恵んであげましょう。

 さて、これから本題に入るとしましょうか。


 「ではこれを見なさい」


 私は自らの力を解放すると空間が歪み、そこにある物が姿を現す。

 人間の背丈ほどの直方体のボディに大きめの摘まみ。

 そしてコインを入れるスリット。 分かり易く言うとガチャポンマシンという代物だ。


 「が、ガチャ?」

 「そう、これは貴方の可能性を可視化した物。 このスリットにコインを入れて回せば、貴方に秘められた才能か貴方の人生に必要な物が手に入ります」


 山田 太郎は言葉もないのか信じられないといった表情で口をパクパクさせていた。

 これでも長い事、女神やっているから最近の需要に合った形態をとらないとね。

 見た目はどこかの店舗に設置してありそうな代物だが、中身は別物。


 説明した通り、このマシンの中には可能性が詰まっている。

 要するにこいつに欠片でも可能性があればレアリティに応じた代物が手に入るのだ。

 裏を返すとどう頑張っても手に入らない代物は排出されない。


 後は物品だが、こいつの人生の役に立つ物が中に入っている。

 分かり易くざっくり分類するならスキルかアイテムだ。

 スキルはレアリティが高い物になれば魔法や超能力と言った物理法則を超越した特殊能力が手に入ったり、格が落ちるとスポーツなどの才能や能力の向上等だったりする。


 ……まぁ、普通じゃない物はレアリティが高いから簡単には出ないが。


 アイテムだったら――まぁ、上は分かり易い凄い能力を秘めた武具で、下は玩具みたいな代物だったりする。

 ただ、こいつに扱えて尚且つ、必要な代物しか出ないので外れでもそこまで邪魔になる事はない筈。

 多分、一回ぐらいは何かの役には立つんじゃない?


 「あの、女神様?」

 「はい、何でしょうか?」

 「あのー、持ち合わせがないのですが……」


 ん? 持ち合わせ? 何を言っているのかしらこのクソガキは。

 ちゃーんと持ってるじゃない。


 「コインは貴方の核――魂と言った方が分かり易いですか? そのエネルギーを変換してコインに変えます」

 「た、魂? エネルギー? あの、それってまさか寿命じゃ……」


 ……何だ知ってるんじゃない。


 「そうですよ? 年単位で変換可能です。 一年なら一年コインに、十年なら十年コインに変換可能です」

 「じゅ!?」

 「はい。 ただ、かけた額に応じて排出率が上がるのでよく考えて利用すると良いでしょう」  

 

 山田 太郎はそう聞くとさっきまでの期待に輝いた物から一転、露骨に渋りだした。

 正直、慣れた反応なので内心で舌打ちだけしておいが、完璧な女神スマイルは崩さない。

 ほら私って女神だし? この程度の自制心は余裕で発揮できるわ。


 こいつ等はタダで凄い能力が手に入ると本気で思っているのだろうか? 

 習得の為の手順をすっ飛ばしてやっているんだから、寿命ぐらい支払うのは当然でしょう。

 高レアが出れば料金以上の物が手に入るのに、どうしてここで渋るのよ。 馬鹿じゃないの?


 ……でも私は真の女神だから愚かな衆生へチャンスをあげるわ!


 「――とは言っても信じられないでしょう。 ここでお試しに一度、回させてあげます」

 「ほ、本当ですか!?」


 うわ現金。 タダと分かったらすぐに目を輝かせ始めた。

 まぁ、寿命じゃないけど代償は貰うけどね。


 「はい。 ただし、寿命の代わりにここでの記憶を頂きます」

 「記憶?」

 「一度、挑戦できる代わりにここでの出来事の記憶は現実に持ち帰れなくなります」


 知られても特に困る事でもないけど、忘れて貰った方が色々と都合が良いので赤字にはなるがこれぐらいは構わない。

 

 「分かりました。 お願いします!」

 

 ま、夢だし実質タダみたいな物だから飛びつかない訳ないわねぇ。

 

 「――では、このコインをどうぞ」


 記憶と私の内包エネルギーを代償にコインを生成。 山田 太郎に渡す。

 山田 太郎は嬉々として受け取ったコインをマシンに突っ込んで勢いよく回し始める。

 早いな。 大抵の者は回すのに躊躇するんだけど――まぁいいか。


 ゴロゴロとマシンの中で球体がぶつかる音がしてカプセルが排出される。

 山田 太郎は期待に胸を膨らませてカプセルを拾って解放。 中身がその姿を現す。

 光の球が飛び出し、山田 太郎の中へと吸い込まれた。 私の眼にはその光の正体がはっきりと見える。

 

 引き当てた物の正体は――


 N:身体能力向上(小)


 ……ぷっ。


 最低レアのカプセルが出たので笑いそうになったが、鋼の自制心で我慢。

  

 「……あの、入ってきた時に何となくわかったんですけど「N:身体能力向上(小)」って何ですか?」

 「文字通りの物です。 貴方の身体能力は今後、向上するでしょう」


 身体能力強化は誰にでも備わっている――要は誰の可能性にも含まれているので、大抵のラインナップに含まれている物だ。

 ちなみに(小)(中)(大)と存在し、(小)なら気持ち運動神経や反応が良くなるぐらいかしら?


 (中)なら学校でトップ取れる程度の運動能力で(大)なら競技の選手になれるぐらいだろう。

 上昇量も本人依存なので、カスみたいな運動能力しか持ち合わせていないなら伸び幅もそれなりの強化でしょうね。


 「ちなみにNってレアリティですか?」

 「そうですよ。 下からN、R、SR、SSR、URとなります」


 Nは努力すれば簡単に手が届く領域、Rは努力して何とか手が届く領域、SRは運等の特定の条件が揃う必要がある。 SSR以上は可能性だけは存在するといった領域だ。 少なくともURを引いた奴を私は見た事がない。

 SSRは以前に寿命全てと引き換えに引き当てた馬鹿が居たが、引いた翌日に死んだので無意味になった。


 「今のコインは――」

 「寿命一年分と同等のコインです」

 「や、やっぱり、一年分じゃNしか出ませんかね?」

 「大抵はNかRですね」


 嘘を吐く、騙すなんて真似は欠片も考えていないので質問には正直に答える。

 そもそもなんで私がこんなクソガキ相手に嘘を吐くなんて真似をしないといけないのよ。

 私は女神様でこいつより遥かに格上。 そんな相手に騙すなんて格好の悪い真似はしないわ!

 

 「この後はどうします? 回しますか?」


 ……回せ……回せ……回せ……お前が回さないと赤字なんだよ。


 そんな考えはおくびにも出さずに笑みで選択を委ねる。


 「じゃ、じゃあ一回、一年分回してみます」


 山田 太郎は迷う素振りを見せた後、そう言い出した。

 よしよし、偉いぞクソガキ。 寿命を支払うならいくらでも回して良いのよ?

 一年の寿命と引き換えにコインを一枚渡し、山田 太郎はガチャを回す。

 

 R:S&W M360J “SAKURA” +銃弾四発。

 

 「――?」


 出て来たのは物品だった。 確か拳銃だったかしら?

 それは正しく、山田 太郎の手にはリボルバー拳銃が握られていた。

 

 「……うわ、すっげえ。 ほ、本物?」


 興奮しているのか眺めたり構えたりしている。

 ちなみに物品に関しては即手に入ると言う事はない。 山田 太郎が持っている物もイメージに近い幻だ。

 さて、なら引き当てて何の意味があるのかと言うと――これは因果。

 

 要するに近い将来、こいつはこの拳銃を手に入れると言う運命を手に入れたのだ。

 数日中に何らかの形で手元に行く事になるだろう。

 

 「ってかレアで拳銃ならSR以上だったらどんな凄い物なんだ……」

 

 確か前にSRでそこそこの魔法剣か何か引き当てた奴が居たわねぇ。

 日本では手に入らない代物なので、死んで異世界転生して手に入れていたけど。

 レアリティの高い代物は他所の世界にある場合が多いので、大抵は転生とセットになっている。


 あくまで入手の因果が刻まれるので、結果的に転生して強い力を得るといった形になるのだ。

 ちなみに異世界転生権とかあったりするけど、これを引いた場合は何の特典もないので控えめに言っても碌な目に遭わない。 そうなった場合、経験で言わせて貰うなら多少無理しても使える物が出るまで引くべきでしょうね。


 ……ま、大した物を引けていないこいつには関係のない話ね!


 「どうしますか? まだ回しますか?」


 どうするかを尋ねる。 これは強制ではないからだ。 あくまで引くのは自己責任。

 回せ……もっと回せ……もっと回すんだよクソガキ。

 そんな思考はおくびにも出さずに私は完璧な女神スマイルを維持。


 山田 太郎は私を見てガチャを見て、手元の拳銃を見る。

 

 「ち、ちなみに明日の夜とかも来てくれるんですか?」

 「いいえ、貴方と会うのはこれが最初で最後です」

 

 は、舐めてるんじゃないぞクソガキ。 お前ごときが女神様のご尊顔を何度も拝めると思ってるんじゃないぞ。 夢をみてるんじゃねー――あ、夢か。

 山田 太郎は迷う素振りを見せるが、考えている事が手に取るように分かった。

 

 回したいんならさっさと回せよ鬱陶しいな。

 根気強く我慢していると、山田 太郎は意を決したポーズを取って私に視線を向ける。


 「一年コインを五年分、五枚下さい」

 「はいどうぞ」

 

 コインを渡すと山田 太郎は嬉々としてマシンに張り付く。

 

 「っしゃぁ! SR以上来い!」


 一枚目 N:視力向上(小)

 二枚目 N:握力向上(小)

 三枚目 R:異性交際権

 四枚目 N:バタフライナイフ

 五枚目 R:現金三百万円


 ……ぷっ、しょっっぼ。

 

 けちけちせず五年分を一回でぶち込んだらまだマシだったかもしれなかったのに馬っ鹿ねぇ。

 視力と握力はさっきの身体能力向上と同系統だ。 最初に引いたのが総合的な物に対してこちらは限定的な分効果が高い。 当然累積するが、元が元だから気持ち程度ね。


 異性交際権は物品と同じで因果を刻むタイプで、どこかのタイミングで彼女が出来る事になる。

 最後の現金はまぁ、何かで手に入れるんでしょう。

 こいつの年収が将来いくらになるかは知らないけど、寿命一年を三百万で売ったと考えたらちょっといい買い物だったんじゃない? 知らないけど。


 「どうしますか? まだ回しますか?」


 山田 太郎は思い通りの結果が得られずに顔を真っ赤に染める。

 

 「じゅ、十連だ! 十連ならいい物が出る筈! 一年コインを十枚!


 はいはいどうぞー。


 「今度こそ来い!」


 一枚目 N:脚力向上(小) 二枚目 N:腕力向上(小)

 三枚目 N:聴力向上(小) 四枚目 N:嗅覚向上(小)

 五枚目 R:命中補正(中) 六枚目 R:聴力向上(中)

 七枚目 R:銃弾五発    八枚目 R:銃弾五発

 九枚目 R:運気向上(小) 十枚目SR:即死回避(中)


 「うおおおおおお! SRキターーーーーー!」


 ……チッ、つまんねぇ。

 

 そこそこ良いの引いてるじゃねぇか。

 聞かれたので概要を説明すると、命中補正は投石等の飛び道具が命中しやすくなる才能だ。

 Rで(中)が排出されるって事はこいつにはそこそこ才能があったのかもね。

 

 最後の即死回避は致命的な状況に対しての回避能力――要は咄嗟の判断で動けるようになる才能。

 例を上げると空から何かが落ちて来て命中しそうになっても早い段階で気づいて躱したりできるって訳。


 「うーん。 何か地味だなぁ」

 

 日本だと微妙だけど他所なら結構、重宝するのだけどこっちじゃピンとこないのかしら?

 

 「即死回避って事は死に難くなる。 ならちょっと冒険してもいいよな! 次はSSRを引く!」

 「では何年分を変換しますか?」

 「十年を一枚! これに全てを賭ける!」


 何か自分に酔い始めたけど、まぁいいか。 回してくれるなら大歓迎。コインをどうぞ。

 

 「来い! SSR!」


 山田 太郎は十年の寿命をマシンにぶち込んでガチャを回す。

 

 「来い来い来い!」


 出たのは――


 SR:異世界転移権


 「キターーーーーーー!」


 ……うっわ、いっらねぇ。


 この馬鹿は気付いていないけど、これって転生じゃなくて単純に転移されるだけだからどんな所に送られるかが完全にランダムなので危険極まりない。

 そもそも人間が生きられない世界だってあるのだ。 運気向上ついててこれとか笑うわ。


 転移でSRって事はこいつ異世界関係の適性は低そうね。

 正直、転移ならRで吐き出す奴も結構居るので、こいつは多分碌な事にならないでしょう。

 異世界へ移動する場合は大きく分けて三種「転移」「転生」「召喚」に分類される。


 転移は単純にそのまま移動する事になる。 何かの付属と言う形で移動すれば助かる可能性は高いが、そうでないならぶっちぎりの外れだ。 例を挙げるなら空気のない世界なんかに放り出されたらそれで終わる。


 次の転生。 こっちは転移に比べればまだマシだ。 何故なら現地の生命体に転生する訳だから少なくとも環境には適応できている。 一応は転生した際に劣化が少なければ多少は能力が高いので生き残り易くはある。 後はまあ、運ね。


 最後の召喚は当たりの部類になる。 これは意図的に呼び出さるケースが多いので受け入れ側に何らかの準備があったするので割と上手くやれる可能性が高い。 劣化が殆ど起こらないので余剰エネルギーも多いだろうし、世界によっては難易度の低い気楽な日々を過ごせるかもしれない。

 

 「ふぅ、欲しかったのは手に入ったし、異世界行けるなら現地でチートが貰えるはずだからこれ以上寿命使うのは止めとくか」


 一応、自分に課したルールなので最終確認を取る。


 「これで止めますか?」

 「はい、充分です」


 よし、それを聞ければこんなガキに用事はない。

 売り上げは二十五年か、まぁまぁね。


 「では、私はこれで。 貴方に良き運命が訪れん事を」

 

 最後に心にもない社交辞令を行った後、山田 太郎の夢を後にした。   

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