スティーヴ・ディクシー?

「三破風舘」事件のことを忘れたのか? あのとき、いきなり喧嘩腰で乗り込んできたゴロツキだよ。ボクサーだと言うが、ボクシングならホームズ、君も相当な腕前だからね。しかし、あの男も案外、小心者だった。


【ネタばらしコラム】


注 以下、「三破風舘」についてのネタばらしがあります。



 第五短編集の特色は、登場人物がやたら多い点にあるのではないでしょうか。「三破風舘」はスティーヴ・ディクシーが乗り込んできて「どっちがホームズさんだい?」と脅すところから始まります。ところがこの男、事件にはあまり深く関わりません。

 後で出てくるメイドのほうがホームズに悪態をついたり、存在感があります。

 例によってというか、うますぎる話を持ちかけられた依頼人をホームズが守るパターンかと思わせて、ちょっと捻ります。死んだ男が残した実話を小説に仕立てた原稿の回収というアイデアがいまいちいかしきれていない感じが残念です。

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