第6話 シオンの議定書

 第一次世界大戦は特にその開戦経緯が後世から見ると不可解そのものですが、

 仕掛けた当事者からすれば、

 デザイン通りのドミノ倒し、

 今風に言えばピタゴラスイッチ。

 快心の出来栄えに快哉を叫んだものでしょうね。

 奇妙と言えばその後の第二次大戦だって負けてません。

 ポーランド戦時、ドイツ西部戦線はほぼガラ空きだったんですが、

 この好機に連合軍は全く動かずそのままポーランド見殺し、

 ご丁寧にドイツが再配置されたあと、

 ご存知の通り電撃戦で蹴散らされているワケです。

 この初期西部戦線の様子は当時既に、

 ファニーヲー、奇妙な戦争と報道、皮肉られていまして、

 しかも後年の研究では、

 ヒトラーナチスドイツの初期資金源が、

 北米は壁の街金融街から供出されたことが告発されている。


 陰謀でも何でも無いんです。


 意思と熱意が有れば事実は明白、

 あからさまにそれを示しているんです。

 その明白な事実を陰謀と思考停止し眼を背けているのは、


 一重に私達自身の選択だったんです。


 そして今ここに至るも、

 これ程判り易い形で事実を突き付けられても、

 尚直視せず見ざる聞かざる言わざる、

 砂場に頭を突き入れ震えているのが、

 今の私達の姿です。

 

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