4章ー15:【精霊本舗】と、魂斬家の関係

 女子同士の話が終わるとすぐに、命彦と空太が訓練場に戻った。

「おーい、依頼を受領したぞ」

「意外と遅かったやん、2人とも」

「採集依頼の受領手続はすぐ終わったんだけど、自分の家への連絡で時間がかかったんだよ」

「俺の方は迷宮に行くけど夕飯までには帰るって言った後、母さんに関東迷宮の【逢魔が時】に参加してる祖父ちゃん達への伝言を頼んでたんだ。怪我しねえようにってさ? 俺が連絡したら、多分祖母ちゃんに捕まって小一時間は説教されるし」

「僕の方も夕飯までに帰るって伝えて、寂しがる空子の説得に手間取ったんだよ」

「ふーん、まあどうでもええわ。採集依頼を受けたんやったら、すぐ用意して行こ?」

「ああ。【精霊本舗】で迷宮へ行く用意をしたらすぐに出発だ」

「僕も命彦も、夕飯時の午後7時30分までには家に帰るつもりだから、時間的には急ぐ必要があるかもね。採集対象物は舞子が失敗した[結晶樹の樹液]だよ。採集量はワリと多めで報酬額は50万円。5等分で1人10万円だね? 依頼難度は1だから、報酬相場で見ても安過ぎず高過ぎずだ」

「今週の日の入りは午後6時30分くらいだったから、それ以降迷宮にいたら夜の迷宮の姿を見られるわね? 帰還時刻は7時くらいにしましょう。夜の迷宮は熟練の魔法士でも足をすくわれる危険地帯。今回はサッと見るだけで充分よ」

『やれやれ、面倒ですね……マヒコ、さっさと終わらせて帰りましょう』

「ああ。メイア達もすぐ行けるか?」

「ええ。訓練場を出ましょう」

「行くで、メイア、舞子」

 勇子達女子3人が固まって親し気に歩く姿を見て、ミサヤはどうでも良さそうに両目を瞑り、命彦と空太は不思議そうに首を傾げた。


 訓練場を出た命彦達は、そのままの足で依頼所を通り抜け、商業地区の街路へと出た。

 依頼所の【魔法喫茶ミスミ】から200mほど歩けば、亜人達が集住する亜人街があり、その亜人街の一角に【精霊本舗せいれいほんぽ】と木板に墨字で書かれた商店、6階建ての商業建築物が建っていた。

 壁面がツル草に覆われており、一見すると古びた建物であるが、構造自体は非常に頑丈そうに見える。

 1階の店舗部分にある【精霊本舗】の看板を見て、舞子が命彦に問うた。

「命彦さん、ここですよね?」

「ああ。ここが以前言った俺の家、魂斬家が経営・管理している店だ。魔法具に分類されるモノであれば、武具や防具から日用品まで取り扱ってる、魔法具開発企業【精霊本舗】だよ」

『従業員に亜人が多いですから、異世界由来の物品、亜人種族に特有の工芸品や民芸品も多数売っています。勿論、個別注文オーダーメイドも受け付けていますよ』

「まあ、とにかく入ってみろ」

「そうね、入ればわかるから」

「は、はい」

 命彦達に背を押され、舞子が入店すると、多くの魔法具が目に付いた。舞子が目を丸くして言う。

「ふわああぁぁー……凄い」

 剣や槍、盾や甲冑といった商品が置かれた、異世界の武器屋のように見える区画もあれば、面白い形の机や椅子、家具類を展示する区画もあった。魔法薬よりどりみどり、と書いた旗を掲げる薬局のように見える区画もあれば、木彫りの人形や髪飾りといった小物や宝飾品を売っている区画もある。

 【精霊本舗】の自動扉が開き、入店した瞬間から、舞子は店の雰囲気に圧倒された。

 あんぐりと口を開けた舞子と、すぐ後ろで狙い通りとばかりにくすくす笑う命彦達。

 その命彦達に、獣人や妖精人、鬼人の店員達が気付き、笑顔で迎えてくれた。

「いらっしゃいませー、おお、これは若様方! よくお越しくださいました!」

 店員達が命彦を見て相好を崩す。命彦達が店内を進んでいると、店の裏に引っこんでいた店員達までわらわらと出て来て、命彦の傍に集まった。

 お客の応対をしている店員達も、命彦に笑顔で会釈している。

 亜人の他にも、日本人の店員やバイオロイドの店員もいた。

 店員達のあまりの歓待ぶりにも舞子が驚いていると、突然子どもの声が耳に届く。

「ワカサマのにおいがするぅー!」

「「「ワカサマぁーっ!」」」

 店舗の2階に続く階段から、4人の幼い子ども達がドダダダっと降りて来て、命彦にきゃっきゃと飛び付いた。

 亜人の子や、亜人と日本人との異世界混血児と思しき子ども達であった。

 その4人の子ども達を受け止め、命彦も優しく笑う。

「おお、皆元気だったか? ああこら! 匂いを嗅いだり耳を舐めたりするのは駄目だって、いつも言ってるだろ! くすぐったいって!」

『こら! マヒコは私の主です! 勝手に舐めたり、匂いを嗅いだりするのは許しませんよ!』

 命彦の頭の上にへばりつくミサヤが思念で威嚇するが、子ども達は構わず命彦に抱き付いたままである。

 他の店員達もほっこりした様子で、命彦と子ども達を見守っていた。

 舞子達をそっちのけで、命彦の周りにはべる亜人の店員達。

 その様子を見て困惑し、6歩ほどその場から後退した舞子に、勇子達が寄り添った。

「初めて見たら歓迎っぷりに驚くやろ? ここにおる亜人達は皆、命彦に……魂斬家に命を救われた人やねん。せやから、皆命彦のことを好いとるし、来店したらああやって歓迎してくれるんや。あの人らと同じように、迷宮で命を救われた舞子やったら、この対応も少しは理解できるんとちゃうか?」

「私と同じように命彦さんに命を救われた? 異世界人の彼らがですか?」

「そうよ。【精霊歌姫】の愛好者ファンである舞子だったら、亜人達、異世界の人類が、【魔晶】に召喚されて地球へ来てることは当然知ってるでしょう?」

「はい。学術的には、異世界の生物は全て魔獣に分類され、【魔晶】は多種多様の魔獣を地球へと送り込む、次元転移の力を持つ1種の魔法具であると定義されています。当然、異世界のあらゆる生物が地球に召喚される可能性を持つわけで……亜人達のように異世界の人類種族が、世界各地で召喚されているという話は私も聞いていますが」

「そこまで分かっとれば、あの歓迎ぶりの理由も薄々分かるやろ?」

「……あ! そういうことですか」

 勇子の言葉にハッとする舞子へ、空太が言った。

「理解したようだね? 【魔晶】が地球に出現してからこの30年余りの間、亜人は結構多く地球へ召喚されているんだ。でも、実際に地球の国々に居住している亜人達の人口は、【魔晶】に召喚された亜人達の人数の1割程度だったりする」

「亜人達、異世界人達が、最初に召喚される場所って迷宮ですものね? 亜人達は迷宮内に召喚され、そのほとんどが魔獣に襲撃されて、命を落とす。だから、世界各国の迷宮防衛都市に居住している亜人の人口と、実際に召喚された亜人の人口との間に、相当の差がある」

「そうよ。全ての亜人は地球へと召喚された時、必ず迷宮内に出現するわ。第1迷宮域に出現すればまだいいんだけど、亜人達はどういうわけか第2迷宮域や第3迷宮域といった、魔獣の巣窟に出現することが多くて、戦闘に長けた者以外、自力で迷宮から出ることが極めて難しいのよ」

 舞子へ語るメイアの言葉によって、勇子と空太が憐れみを目に宿し、静かに言った。

「せやからほとんどの亜人達は魔獣の餌として捕食されてしまうんや。……幾ら魔法が普通にある世界で育った亜人でも、魔獣側から見れば、能力的には地球人の魔法士とドッコイやったりする。平均値で見れば、亜人は地球の魔法士より優れた能力を持っとるけど……」

「当の魔獣から見れば、亜人だろうが地球人だろうが、人類種族が個々に持つ能力の差程度は、全部誤差の範囲内だったりするんだよね?」

「魔獣から見れば、異世界だろうが地球だろうが、人類種族に違いはあらへん。異界人も亜人も、地球人類も、所詮人類のくくりにおさまるただの餌に見えるわけや。地球人と同じく異世界人も結局は餌や。結構簡単に捕食されてしまうんよ、亜人らもね?」

「どちらかと言えば、多少の抵抗ができてしまう分、亜人達の方が、異界人や地球人より上質の餌と思われて、優先的に狙われたりするわ」

「異世界人やから、亜人やから言うて、人類っていう種を簡単には超えることはでけへんってことやね。実際、魔獣に食われて死んでまう亜人らは物凄く多い。10人や20人で召喚された場合はともかく、1人とか2人で地球に召喚されたら……まあ、地獄やろね? ウチかて、1人で第2迷宮域や第3迷宮域に放り出されたら、生きた心地せんもん」

「こればっかりは僕も勇子に同感だ。あそこは本当に地獄だよ。天魔種魔獣や魔竜種魔獣、巨人種魔獣といった、高位魔獣達がいるからね。ほとんどの亜人達が、地球人の魔法士達に保護される前に、敵性型魔獣達に喰われて死ぬのも、出現する場所から考えれば当然の話さ」

「……せやからこそ、命を救われた亜人らは生きとることに感謝する。命を救われた恩をいつまでも覚えとんねん。亜人達の場合は、種族によっても個々に文化があるから、それこそ一生仕えるくらいの勢いで感謝して来よるヤツもおるんよ」

 勇子の言葉を聞いた後、メイアが亜人の子供達に抱き付かれ、もみくちゃにされている命彦を見て語った。

「この店の亜人達も、そういう魔獣達だらけの地獄で必死に逃げていたり、行き倒れて死にかけていたところを、命彦や命彦の祖父母、刀士さんや結絃さんに救われたの。まさに魂斬家は、彼らにとって文字通りの命の恩人というわけね?」

「付け加えて言うと、助けた亜人達がこっちの世界で生きていけるように、日本の習慣を教え、職業や住居を用意したのも魂斬家やで? 命の恩人であり、この世界で生きる術を与え、居場所を作った。命彦がああして好かれ、慕われるんも分かる話や」

 勇子の言葉に、空太が苦笑した。

「日本は地球でも特に異世界人に優しい国で、国として異世界の技術や情報を欲している分、亜人の人権についても手厚い保障をしてる。当然国としても、召喚され、魔法士に保護された異世界人達を迎え入れる施設は、幾つも用意してるんだけど」

「どういうわけか、ここにいる亜人達は魂斬家の人達と一緒にいたがるのよね? アレかしら、舞子と一緒で一種の刷り込みってヤツ?」

 メイアが面白そうに笑って言うと、勇子もカラカラと楽しそうに笑っていた。

「まあ、知らん人のとこ行くより、自分の命を助けてくれた人の傍におりたいっちゅう気持ちは、ウチらにもよう分かるわ。せやから魂斬家の人らは、助けた亜人達が日本で自立できるように、そして自分達の目の届く範囲におれるように、【精霊本舗】って店を作って、社宅を用意し、亜人達の家兼職場を作ったわけやね?」

「商業地区では、一般の住宅を作るのが都市の区画整備条例上難しいんだけど、例外的に商業施設に付随した住居、商店兼住宅の店舗や社宅、社員寮は認められてるんだよね? 魂斬家はその例外を上手く利用して、亜人街に会社を作り、社宅を完備したってわけさ。立地が良いからか、商業的にもこの店は結構繁盛はんじょうしてるんだよねぇ」

「社員達も安心できる環境やし、皆一生懸命働いて、店をデカするんやって息巻いとるわ。関東と九州、四国の迷宮防衛都市にも、去年2号店と3号店、4号店を出したみたいやし。イケイケやでホンマ」

「そうね。魂斬家の人って人情味もあるけど、計算高さも持ってるから、案外繁盛すると見越して、こういう企業形態を作り、ここに店を構えたのかも。魂斬家の管理者である結絃さんって、そういうことよく考えてそうだし……」

「確かにあの人だったらありえそうだ」

 苦笑する空太の言葉を聞き、舞子は店内を見回した。

 【精霊本舗】の店内は、外観の古風さに反して非常に綺麗であり、清潔感に溢れている。

 商品の種類と置いてる場所によって武器屋や家具屋、薬局や宝飾店といった、独立した空気感があり、一部の場所は非常に高級感も感じられた。

 店員達が着るお揃いの制服も、全て小奇麗こぎれいである。

 客も、そろそろ夕方という時間帯の割には多い気がするし、客層も様々だった。

 子連れの主婦や壮年の渋い男性、魔法具を選んでいる学科魔法士風の男女に、魔法士育成学校の帰りに寄ったのか、制服を着ている少女もいる。

 魔法具を必要とする、相当幅広い世代が客として通っていることがうかがい知れた。

 ぶっちゃけると、メイア達が言う通り、儲かっている匂いがプンプンしたのである。


 店内から命彦の方へと視線を戻した舞子は、命彦にくっ付いていた2人の子ども達がこちらに走り寄って来ることに気付いた。

「「メイせんせー! そのヒトだぁーれ?」」

 亜人の子ども達は今度はメイアに抱き付くと、同時に舞子を見て問う。

「うふふ、この人はねぇ、今度私達と迷宮に行くお友達よ。舞子って言うの」

 メイアが自分に抱き付く亜人の子ども達に優しく話しかけた。

 その親密ぶりを見て、またも困惑する舞子に、勇子と空太が耳打ちする。

「メイアは〔魔工士〕の学科魔法士資格を取ってから、すぐにこの店の専属〔魔工士〕として雇われたんや。訓練場でもチラッとそれっぽい話してたやろ?」

「雇ったっていう表現は微妙だよ、勇子。メイアは【精霊本舗】と雇用契約を結ばず、自営業者としての業務委託契約を結んだ筈だからさ? まあ契約上はどうあれ、実際は社員待遇で扱われてるけど。あ、魔法士資格を取った瞬間から、学科魔法士は権利上の成人として扱われるから、18歳以下の未成年でも就業できるよ? 有事の際には戦闘義務もあるけどね?」

「難しいことはどうでもええねん。とりあえず【精霊本舗】で雇われとるメイアは、1週間のウチ、休日や学校が終わった後の時間は、ほとんどこの店の開発室にこもってて、休憩や気分転換したい時に、この店の店員の子どもらに、魔法や日本語を教えとるんよ。せやから、メイ先生って呼ばれとるわけ」

「は、はあ……メイアさんも色々されてるんですね?」

 舞子は、亜人の子ども達がきょとんとした顔で自分を見上げていることに気付いた。

「「マイコー、ともだち?」」

「えっと、あの……はい」

 どう返せばいいのか、微妙に返答に詰まる舞子に、横から助け舟が出される。

「こら、またあんた達は勝手に教室を抜け出して、駄目でしょ! 全員さっさと戻る!」

 緑の髪に淡雪を想わせる白皙の美貌と、笹の葉のように尖った耳を持つ、いかにも責任者と言った風体の、背広姿のエルフの女性が、階段の傍に立っていた。

 その女性に気付き、子ども達にまとわりつかれつつも、店員達と話していた命彦が近付いて来る。

「まあまあ、ソル姉。そこまでで……」

「ダメです! 若様がそうやって甘いから子ども達が勝手気ままに育つのですよっ! 自覚してくださいませ! ねえ、ミサヤ様?」

『まったくです。子どもに甘いのは考えモノですね? マヒコを舐めたり、クンクンしたりできるのは、私の特権だと言うのに』

「そういう意味ではございません! はあ……もういいですわ。皆も業務に戻って! 子ども達は教室に戻る! 計算問題増やすわよ!」

「「「ええ、やだー! ソルせんせい、こわいぃー」」」

 そう言って子ども達はまたキャッキャと騒がしく、階段を上って行った。

 空太が慈愛に満ちた目で、子ども達を見送りつつ舞子に言う。

「【精霊本舗】の店舗棟は6階建てで1階が商店、2階には食堂と子どもらの保育施設があって、3階から5階には従業員の社宅があり、最上階の6階に魂斬家の別宅、別荘があるんだ。店員の子ども達はこの時間、6歳以上の子達が小学校や魔法士育成学校に通ってるけど、6歳未満の年少の子達は保育施設で国語や算数の初期学習をしてるわけ、ぐえっ!」

 勇子が怪しい目付きの空太の顔面を片手で掴み、吊り上げて言う。

「目付きがキモいねん! あの子らに手え出したら、イチモツ千切るでホンマ」

「くぬぬ、放せ怪力バカ女! ふうっ、幼女に手を出すのは外道の所業だっ! 僕は視覚的にでるのみ! 見ろ、この澄み切った瞳を!」

「めっちゃよどんでるし、どっちか言うと血走っとるけど?」

 勇子の言葉に目を泳がせて、空太が舞子へまた語り出した。

「……まあ、それはさて置いてだね。年少の子達はじっとするのが難しくて、わりと脱走してるんだよ、特に命彦が来店した時はね? 命彦はお子様に人気だからねぇ。少し分けて欲しい……げふん、ごふん。えーとそれで、あのお子様達を叱り飛ばしていた亜人女性、妖精人種魔獣【木霊人】族の女性が、ソル姉こと講師役のソルティア・セレリウスだよ」

 エルフの女性が、子ども達を階段の上を追い立てた後、こちらへ戻って来ていることに気付かず、空太が小声で舞子に言う。

「講師役ってことからも分かるとおり、彼女の本当の役職は別にあるんだ。実は、この店の営業部門の部長が彼女でね? 絶壁ぜっぺきの営業部長とも呼ばれている、店の幹部役員だったりするんだヒギィっ!」

「あらあら空太様、私如き端役はやくのご紹介ありがとうございます。ですが絶壁とはどういうことでしょうか? いえ、私の体型のどこについておっしゃっているのでしょうか? ついでに誰が言っていましたか? お教えくださいませ? 貴方の肩が砕ける前に……」

 空太の右肩を掴み、エルフの女性がにこやかに言う。

 ミシミシと自分の肩をきしませ、食い込む白い指を見て、空太は顔を蒼白にした。

 助けを求めるように空太が命彦達を見ると、舞子以外の全員が合掌した。

「待ってくれ、戦友を見捨てるのかいっ!」

「自分でいた種だ、自分で刈って来い」

「命彦! むごもご」

「お客様、店内で騒がれては困ります。少々こちらへ……」

「あ、ソル姉。空太に説教するついでに、このリストの魔法具を用意してくれるか」

「かしこまりました、若様」

 補充する必要がある魔法具の一覧表を器用に脇で挟んで受け取り、空太を両腕で羽交い絞めにしたエルフ女性は、他のお客の目を避けるように倉庫の方へ戻って行く。

 ムームーと涙目で首を振り、エルフ女性に引きずられて行く空太を、他の店員達が苦笑して見送り、命彦達も別れを告げるように手を振った。

 どうやらこれが【精霊本舗】の日常らしいと、舞子もすぐに理解し、苦笑を浮かべた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る