Turn248.勇者『大事な場面で消える』
サッカーのストラックアウトで、松葉は二枚、聖愛は三枚、紫亜は好調で六枚も抜いていた。
最後に僕の番となりコート内に入った僕は、集中力を高めるためにフゥと息を吐いた。
──松葉の記録は二枚である。二枚以上射抜けば、罰ゲームは回避することができるだろう。
ん、でも同点の場合はどうなるんだ──?
まぁ、軽い罰ゲームなのだから、最悪最下位になっても構いやしないのだが──我ながら勝負事にはじめからそんな姿勢というのは如何であろうか。
──折角なら、勝つ気で挑もう。
僕は気合いを入れ、硬貨を財布から出した。投入口に入れるとメロディーが流れ、機械からサッカーボールが転がってくる。
床にそこから蹴るようマークがしてあったので、その場所にボールをセットし、足を乗せる。
先ずは、ど真ん中を狙っていくか──。
ボールから離れ、助走をつける。
意識を集中し、的を見詰めた。
──『消エロ』!
走り出した僕の耳に、聞こえてきたような謎の声──。
蹴った僕のボールは、見事に中央五番の的を撃ち抜いていた。
ところが、同時にアトラクションの電源が落ちて警報アラームが店内に鳴り響いたのであった。
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