第12話 「波打ち際の足跡」





足を引き摺って歩く

波打ち際


僕は今まで何をして

今何をして

これから何をして


この日常はいつまで続くのだろうか

今とは違う未来は来るのだろうか

そもそも未来なんてあるのだろうか



いつまでも雨は降り止まない



答えなんて見つからず

柔らかい砂に足を取られて

転びそうになって

立ち止まった


変わらず打ち寄せる波が

これまでの足跡を消していく

生きてきた証が消えていく



途方に暮れて

しばらく海と話をして

波が足を濡らす頃

思い出したようにまた歩き出す



遠くで海鳥が鳴いていた



雨で砂が少しだけ歩きやすくなっていた

風が笑い声を運びながら通り過ぎていく



気づけば新しい足跡が続いていた




それを見た僕はまた歩き出す




それを見ていた僕もまた歩き出す










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