第8話 勘違いは進行性
現在、助っ人さんらしきドラゴンと対峙しております。
異世界の象徴であるドラゴンに、こーんな初っ端から出逢えた奇跡に感謝し......たいけどこの状況どうにかなりませんか(泣)
体高は軽く4m、爪も牙ももうこれ以上尖れないわ!ってくらいに尖りまくってる。
皮膚は漆黒の鱗で覆われてて、見るからに硬そう......さ、触らせてくれるかな(ゴクリ)
............私嫌われてるから、無理だよね......。
初対面で無視されたの、実は結構堪えてるんだよ。
ってか、幼女の可愛さにクラっとこないなんて...........ロリコンじゃないわね!
はっ!!もしかして、私変な顔してるとか?
そういえば、転生してから自分の顔見てないぞ......てっきり前世の私を幼女化させただけだと思ってたのに。
助っ人さんが無視したのってもしかして...........あまりにも私の顔が変だったから?
「私、そんなに変な顔してますか?言葉失う程酷いですか?!」
「ッ?!...........すまない。」
あ、あぁ、謝られた...........そんなに酷いんですか(泣)
一応さ、神様の子どもだよ?
神様程の美貌を望んだわけじゃないけど、ある程度はね?期待するよね?
......現実が辛い。
じゃああの、初対面での必殺”可愛い幼女の小首傾げ〜”は逆効果か?!
うわぁ出会い頭に私の顔面はダメだったのかぁ。
言葉を失う破壊力......効果は抜群だ!
ヒナちゃんは心に大きな傷を負った......。
もう同じ失敗はしないわ......
私のメンタルのために!
じゃないとまた、引きこもっちゃうんだからぁ(泣)
「あの、助っ人さんごめんなさい。私(自分の顔が言葉を失う程酷いって)知らなくて......初対面であれ(小首傾げ)は酷かったですよね。で、でも!助っ人さんにいい印象を持ってもらいたくて......だから、あの、き、嫌わないでください(泣)」」
「......俺もすまなかった。あまりにも緊張してしまって、言葉が出てこなかった。嫌うなど有り得ない。だから泣かないでくれ。頼む。」
助っ人さん......なんて優しいドラゴンなの。
私のことを傷つけないように、言葉を濁してくれてるのね。
顔が変なのはちょっと、いや凄くショックだけど、助っ人さんが優しいドラゴンで良かったわ。
再引きこもりはなんとか防げたわね。
「名乗りもせずにすまない。俺はアズベル、この北の国の......貴族だ。転生者の助けとなるよう、尽力しよう。」
アズベルさん......思ったけど声もイケボぉくぅー惚れてまうやろ!
しかもお貴族様!
なんか含みがありそうだけど、そこまで追求できる程の仲じゃないから今は保留ね。
「アジュベルさん、私ヒナって言いましゅ。これから、よろちくお願いします!」
「......言いにくそうだな。ふむ......呼びやすいように呼べ。特別に許そう。」
はぁ......イケドラ(イケメンドラゴンの略)やべぇ。
自分の名前すら噛みすぎて言えない幼女の辛さをわかってくれるなんて(感動)
特別、ヒナは特別だから(言ってない)なんて、私をどうしたいの!
妄想は一旦中断してっと、えーっと呼びやすいようにかぁんー幼女の滑舌的には......
「えっと、じゃ"ベル"しゃんって呼んでもいいでちゅか?」
「......ベルでいい。それに敬語も必要ない。」
呼び捨てっすか?!
うひょーラッキー幼女の力遺憾無く発揮してるなぁ自分むふっ♪
「わかっちゃ!ベルよろちくね!」
無事(精神ダメージ甚大)?助っ人さんもとい、ベルと出会えました〜♪
やっと、ここから私の転生ライフが始まるのね!
じゃあまずは、
「ねぇベル、ずっと思ってたんだけど、も少し小ちゃくなれない?首いちゃい。」
......いやほんとにデカいのよベル。
見上げて話すのも疲れたよぉ。
首もげるかと思った(笑)
冒険の始まりにしては気が抜けてるって?
ふふふ、私たちの始まりにはピッタリでしょ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます