第46話 衝撃は終わらない
例の度肝を抜かされた出来事から一週間。あれだけでも十分強烈な出来事だったのだが何やら今回も雲行きが悪そうな予感がするのだ...。
俺は今自宅の居間でテレビを見ているのだが何やら後ろで母親がゲラゲラと下品な笑い方をしながら誰かと通話している。あんたは小学生か。
「いいわねぇ!きっとうちのバカ息子も喜んでいくと思うよ!」
何やら俺の事が話題に上がっているみたいだが不安しかない。何か面倒事に巻き込まれる前に退散するが吉か...。そう思ってテレビを消し自分の部屋へ退散しようとしたところをちょうど通話を終えた鬼に捕まってしまった。
「ちょっとあんたどこ行くのよ。ちょっとこっちに来なさい。」
...あーあ、なんでこのタイミングで終わるかなー。
一体何を要求されるのか。お金?それとも命か?
「こんなこと聞いても答えは分かってるけどあんた冬休み予定ないよね?」
「なんだそんなことか...。あるかもしれないよ。」
もの凄い要求じゃなかった事に内心胸をなで下ろす。
と思ったのも束の間、その実の母親の口からとんでもない発言が飛び出してきた。
「あんた一体実の母親の事なんだと思ってるんだい。まぁ愛しの有希乃ちゃんとの予定なら心配いらないよ。」
「あ、そうなの?なら良かった...え?今なんて?」
「一回で聞きなよ...。あんたの愛しの彼女との予定なら心配ないって言ったんだよ。」
「なんで母さんがそのこと知ってるんだよ!まだ言ってなかったのに!」
「あれ?言ってなかったっけ?私薄野さんとこのお母さんと今でも連絡取り合ってんだよ。」
「聞いてねぇよ!初耳だったわ!」
まぁこれはこれで言う手間が省けたといえば省けたがなんだか納得いかない気分だ。なんか不意打ちでストレート食らったような感じ。しかし有希乃はもうとっくに親に言ってたみたいだしその親と繋がっているというなら当然か。
これ以上問答しても無駄だろうと判断して話題を変える。
「...それで予定が大丈夫ってどういうことだよ。」
「そうそうあんたスキー好きだよね。おっとシャレじゃないわよ?」
「分かってるよそんな事。まぁそうだけど。」
「今年の冬休みに薄野さんとこと一緒に行く事になったから。」
「そういうことか。まぁきっかけは俺たちだろうな...。」
「...君のような勘の良いガキは嫌いだよ。」
「普通に合ってるって言えないのかよ...。」
「ま、そういうことだからないと思うけど別の予定入れるんじゃないよ。ないと思うけど。」
「二回も言わなくて良いから!分かってるよ!それじゃ!」
俺はそそくさと自室にこもってストブラに勤しんだ。とっとと上位勢に仲間入りしないとな。
...あ、負けた。
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