第47話 講習

 会議室が講習会場だった。


 集合時間の少し前にこっそりとフェードインした筈だが、良くも悪くもエミリーは目立つ。人気の受付嬢だからだ。


 冒険者の格好をしてこの場にいるので皆の囁きが聞こえる。

 何故?と


 席に座るが勿論俺が二人に挟まれべったりくっつかれている。

 周りの冒険者の呻きが聞こえる。ああエミリー様が堕ちたと。

 知った事かと思いつつ早く講師よ来てくれ!とひたすら祈っている。


 講師が来るまでの間は二人に密着されて、所謂メスのフェロモンというのにやられ、クラクラで二人を抱きたいとしか頭にない!そんな悶々とした時間で周りの怨めしい視線も居心地が悪かった。


 講師が来た時は救世主が現れたかと思う位ほっとした。でも腕に伝わる胸の感触が・・・思春期真っ盛りなんでそんな事しか考えられません!しかも昨夜は・・・ね。


 講習はシンプルだ。午前が座学と魔物の解体だ。

 午後が戦闘講習。

 あくまで簡易的な講習で、他にも色々有ると説明された。本格的なのは別途講習が有るらしい。


 昼はリリア、エミリーとランチをしに出掛け、午後から戦闘訓練、最後に講師との模擬戦だ。


 模擬戦は俺達の中ではまずエミリーだったが、講師の剣を避けて頭にえい!と可愛らしく剣を振りヒットさせて気絶させていた。スピードはかなりのものだ。俺が講師を治療し、次がリリアで普通に勝っていた。

 俺も講師の動きがとろくて手を叩き、剣を落とした所で首筋に剣を当ててあっさり終わる。


 俺とリリアはともかくエミリーには驚かされた。

 そういえばエミリーのレベルはいくつになったのだろうか?身体能力が上がったので講師の動きがトロく感じたのだろうと理解した!


 やはり他の参加者はエミリーに一番驚いていた。


 まあ勉強になったが、座学ではリリアは居眠りをしようとするので時折脇腹をつついていたりした。


 まあ、無事に講習が終わったが、パーティーを組んで欲しいとの申し込みにうんざりしていた。皆に断るのが面倒だった。

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