第42話 おかしい
2階を更に奥へと進んでいて時折数匹のゴブリンやオークが出る。そんな感じで進んでいるとケルベロス?と言うのが出てきた。俺が慌てて穴を掘り土を落とすと首だけが出ている状態となり、俺とリリアで首を刎ねて終わった。魔石は幸い土の上に出たので回収が出来た。
聡太「うわーまた地面ボコボコにしちゃったよ!怒られるかな!」
軽くおどけて言うと
リリア「別に良いと思うわよ。誰がやったかなんてわからないしね!トニーがまともに使える魔法はホールだけで他は牽制位にしか使えないのでしょ?」
聡太「まあね。誰も見ていないしまあいっか!」
等と話をしているがケルベロスはB級モンスターである。本来そんなのが初心者ダンジョンにいる訳がないのだが、それに気が付かない3人はお気軽だった。
エミリーは聡太と冒険ができてデート気分である。そう、彼女は天真爛漫な天然さんだ!お花畑状態で異常を異常と思わない。それにいざとなったら聡太が助けてくれるとピクニック気分だ。おかしいとは思っているが口にしない控えめなエミリーだ。
リリアに至っては聡太にサバサバと話すが、なんだかんだと言ってもリーダーの聡太に判断を丸投げして、勇者様に信奉している感じでやはり異常を感じ取れていなかった。聡太がおかしいと思ったら聞いてくるだろうとそんな感じだ。
聡太は以異常と思っているのだが、ギルド職員のエミリーが特に何も言わないし、リリアも普通に対処しているから、ダンジョンってこんなもんなんだなとしか思わず、まあいいかという状態だ。三者共におかしければ誰かが言うだろうと思い、口に出さなかったので、引き返さずに進んでしまったのだ。
そしてやはりBランクのミノタウロスが出るも雄叫びと共に突進してくるが、ホールで胸元まで埋める。上から土を落とすも石頭のようで首を振り何とか持ちこたえていた
聡太「おお!耐えたんだ!すげーなこいつ。でもさようなら」
と後ろに回り万歳状態のミノタウロスの脳天に剣を叩き込み決着した。
魔石と何やらマント?がドロップされた。
物理防御のある耐火マントのようだった。サイズはリリアとエミリーには大き過ぎたが、聡太にジャストフィットだった。
エミリーが装着してくれたが、真っ赤なマントだが
エミリー「うふ!トニーにーお似合いね!」
そんな感じで褒められるので俺も嬉しかった。
因みにこのダンジョンから改名した名前で呼ぶ事となった。
聡太と呼ぶのは宿の部屋位だ。
今まで様付けだったが、偽名の為呼び捨てに抵抗がなくなったようで、トニーと呼んでくれるので距離感が縮んだ気がしていた。
ホールのお陰であっさりと倒したので大きいけど対して強くないと俺は認識してしまったが、リリアは一瞬恐怖で固まっていた。それは本来勝てる相手では無かったからだ。
一応B級とされているが人によってはA級と判断する者もいる位だ。
残念な3人組は更に奥へと、危険なゾーンへ足を踏み入れていく。
因みに通常魔法だとダンジョンの床に坑は開けられないのだが、聡太のそれはギフトだから可能だった。リリアもエミリーもダンジョンが初めてで、聡太が穴をを開けている事の異常性に気が付かないのであった。
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