第4話  検査

 俺達は先程のテーブルで順番を待っていた。


 中にはお気軽な奴が


「ぐへへへ。やっぱ異世界に来たからにはハーレムうはうはだよねー。なんでも一夫多妻制だとよ」


「聞いた聞いた!神官の姉ちゃんも偉い美人揃いだよな」


「美菜ちゃんレベルのえー女と絶対やっちゃちうぜ。お持ち帰りしたいね!」


「ねえねえ、やっぱ王子様っているのかな?私が王妃になったりして」


 な感じの頭空っぽなのが多い。


 聡太「なあ、あいつらの話しどう思う?」


 美菜「一夫多妻制?聡太もそういうの興味あるんだ」


 美菜が拗ねる。どうやら俺が他の女に目移りしていると思ったのだろう。


 聡太「一夫多妻制が何故有るかだよ。俺は美菜がいればそれだけで良いし、ハーレムは美菜が引き込まなきゃ無いよ」


 美菜「どういう事?」


 聡太「制度を作った奴がむっつりスケベで、複数の女を堂々と侍らす目的でハーレムを制度を作ったのならまあ良い。違う場合が問題なんだよ。男性の死亡率が高くて、強い男が複数の女性を娶り子孫を残す為の制度だとしたら、この世界は生き残るのには厳しい筈だよ」


 美菜「あっ!昔の私の大好きな聡太になってるね。確かにそうだね。確かに神官さんは女性が多いね。やっぱり君は冴えてるんだね!私が引き込んだらね。ふふふ。聞いちゃた」


 聡太「もし魔法が使えるなら、威力を落として皆の中に混ざるんだ。目立たないように。奴らを信用しちゃならないと頭に響くんだ。お袋達が事故に遭って以来の嫌な予感だよ」


 そうしていると美菜の番になり、検査を終わり席を立つと俺が手招きされて呼ばれた。


 検査をするのは、全員若い綺麗な神官の女性だ。成る程、バカなクラスメイトが盛りの付いた猿みたいになっているのは美人の神官に一目惚れした為か。何気にスタイルが良いな!しかもスリットが入っているから生のおみ足が見えてるな。他のバカみたいに、エロ高校生の振りをして鼻の下を伸ばすのを忘れない聡太だ。でも、涎は本物。やっぱお見あしだよね!


 多分若い女を宛がって下半身を掌握し、操るつもりだろう。昔からある手だな。年頃の盛りの付いた奴らなら下半身を押さえればまず間違いない。


 女子にはイケメン王子だろうな。このフレーズに弱いからな。


 この神官の女達は、明らかに俺に色目を使っているから確信した。


 まあまずは検査だな。


 言われるがまま指示に従う。

 指に針を刺し、ステータスカードに血を一滴垂らして胸に押し当てて

「ステータスカード登録」

 と発した。

 カードは、ちょうどキャッシュカード2枚位の大きさだ。それが体内に入っていく。

 不思議な光景だ。


 登録が終わったので念じて出す。すると名前等が記載されていて、神官達がそれを記録している。


 次に「アイテムボックス」

 と言うが何も起こらない。残念そうだ。

 次に台座に置かれたボウリングの玉位の透明なオーブに手をかざす。ほんのり茶色くなり


 神官「土属性の魔法に適正があります」


 どうやら土魔法が使えるらしいが、それは既に知っているけどね。気のせいかオーブにヒビが入った。神官は気が付いていないようだ。


 次に水が半分位入ったグラスに手をかざし変化を見る。一瞬光ったような気がするが神官がよそ見をと言うか記録を取っている最中だったので見落とされたようだ。


 自分の指にというか先程血を取った指にヒールと発するも何も起こらない。

 神官が記録し、俺にヒールを使うと傷がすーっと消え、

 またもやディスプレイのようなのが現れて

「ヒールを取得しました」

 とテロップが流れる。やはり、ゲームだよなあと思っていた。何が起こったかは一例じゃあ分からないが、どうやら見た魔法か、受けた魔法を取得するらしい。全属性okがそうなのかな?


 時計に手をかざしたり、神官の女性の手を握りおでこを合わせる。ちょっとドキドキする。そういえば先程聞こえた悲鳴と平手打ちの音は、多分ちゅーしたんだろうな。ちょっと顔を付き出せばちゅーだもんな。俺もしたかったが、美菜の目が怖いから紳士になっている。


 これで終わりとなったら急にオーブを支える台座が崩れ、オーブが転がり床に落ちてしまった。台座にもヒビが入っていたようだ。どうやら俺のギフトか能力はチートっぽいがよく分からない。


 慌てた神官がオーブを確認するとヒビが見つかり、落下の影響でヒビが入ったとなり、予備を持ってきていた。違うんだが指摘しない聡太だった。


 そうして全員が終わるのを待っていたが、興奮した美菜が


 美菜「ねえ、私ね火と風、回復魔法の3属性が行けるのよ。神官の子にも驚かれちゃった!」ウインクをしているから、わざとバカ女のように浮かれている振りをしているが、クラスの連中は、隣の奴らに確認や自慢をしていた。


 美菜は職業に賢者とあり、俺のは穴掘り師だった。まあ良いけど。 

 練兵場は今日は手違いで使えなかったので、明日の予定だった装備品の配布となり、鎧のサイズを決める為の採寸を行った。


 明日またここに集まる事になり、夕食会場に向かう。


 クラスの連中は俺の職業を見て御愁傷様や秀才君も落ちたねとか、弱者扱いだった。まあいい。過去の俺の僅かなメッセージがあるから、操り人形にはならないぞ。


 色々考えていて何を食べたか覚えていなかったが、フルコースだったのだのだけは覚えている。


 そして割り当てられた部屋に向かうのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る