第25話 ここはゴミ箱!待ち人来たり
※更新再開!
リアルがバタバタしてまして止まってました。
本日から週刊で更新再開です。
止まったら、また忙しいんだろうなと思ってください笑
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帰りてぇ・・・というのが今の正直な心境だ。
時間は30分前に遡る。
喫茶店・ノワール。
待ち合わせに指定された店だ。上場企業が運営する、頭に東京の某夜の街である高級街の名前が付く喫茶店チェーンで、税引き前利益の半分が「立ち退き料」で賄われているという素敵な店だ。どうやらここは、知らないうちに悪の巣窟となっている店舗があるらしい。
とりあえず待ち合わせのために入ったんだが、周辺のテーブルから漏れ聞こえてくる会話は怪しい話のオンパレード。
やれ「会員さんを紹介してプラチナ会員を目指そう!」とPRするやつれた主婦、「この保険は元本が保証されています!」と年寄りをだましにかかっている配達系会社と思しきクソガキ、「儲かるビジネスにはマインドが〇×◇~」と自分の年齢の半分ぐらいの起業家にマウントをとるおっさん等々、欲望にギラギラしたテーマパークになっている。
何より自分もその一員になるのだと思うと気が滅入る。
「えっと、Yさんでよかったですか?」
おっと、思考の海に沈んでいたら声がかかる。顔を上げると女子大生と思わしき女の子がいる。セミロングの茶髪、うっすらと化粧された目元にマスク、口元は見えないが意外とかわいい。こんな場所での出会いでなければなぁ・・・。
「はいはい、そうですよ。時間もらってすいませんね!」
「いえ・・・」
ちらちらとこちらの顔を見ながら対面に座る。警戒されてるのか?
「とりあえず飲み物頼んじゃってください!おごるんで。あと、何て呼べばいいですか?」
「あ、ありがとうございます。呼び方は・・・えっと、亜紀、でお願いします。」
「OKOK、亜紀ちゃんね。よろしく」
・・・ここだけ切り取るとまんまパパ活だなおい。これも仕事だ、しょうがない。
さて。
俺のミッションはまず、詐欺案件が自分が追っているものと同一のやつか確認し、あわよくば大学にまで広がっているという情報を集めることだ。そのあと、雑誌に売るなり警察に売るなり、クライアントに売るなり好きにすればいい。
ここで警戒されたらおじゃんだ。
「じゃあ亜紀ちゃん、さっそくだけど聞かせてもらえるかな?」
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